ロシア軍“制服組トップ”負傷か・・・最前線を異例の訪問“兵士鼓舞”するはずが・・・(2022年5月3日)

 ロシア軍の制服組トップがウクライナの最前線を異例の訪問。さらには、負傷したとの情報も出ています。一体、何が起きているのでしょうか。

■プーチン氏・・・怒りと焦り?

 プーチン大統領と握手を交わすこの人物は、ロシア軍の制服組トップ、ゲラシモフ参謀総長。

 ロシア、ゲラシモフ参謀総長:「ロシアは、抑止力として核兵器の使用が可能です。NATO(北大西洋条約機構)は、軍事兵器をロシア国境に近付けています。特に、新しく加盟した国がそうしているのです」

 大統領、国防相と共にウクライナ侵攻を計画したロシア軍の最高幹部です。このゲラシモフ氏がウクライナ東部の最前線を視察した際に、負傷したという一報が飛び込んできました。

 イギリスのデイリー・メールは1日、非公式な情報筋の話として、ロシア軍が東部の拠点としているイジュームで、ゲラシモフ氏の右脚に砲弾の破片が刺さり負傷したと報じました。

 デイリー・メール(1日):「手術で破片は取り除かれ、命に別状はない。しかし、ゲラシモフ参謀総長のけがは深刻で、空路、ロシアに帰国した」

 そもそも、軍の最高幹部が最前線に入るのは“極めて異例”です。

 ロシアNIS経済研究所・服部倫卓氏:「参謀総長、自ら現地に赴くこと自体、プーチン大統領の怒りと焦り。打てる手は全部打って、不退転の覚悟で戦っている」

■“兵士鼓舞”負傷で逆効果か・・・

 ゲラシモフ氏が一躍名を馳せたのは、2014年のクリミア併合でした。

 ロシアNIS経済研究所・服部倫卓氏:「この人は、戦略家・理論家として知られている。特に『ゲラシモフ・ドクトリン』を2013年に提唱して、2014年ウクライナ(クリミア併合)への対応に応用した」

 現代ロシア軍の戦略家にして理論家。とりわけ「ゲラシモフ・ドクトリン」と呼ばれる基本原則は軍事力だけに頼らず、情報戦など非軍事的な戦術を組み合わせてこそ、成功を収めることができるというものです。

 ロシアNIS経済研究所・服部倫卓氏:「クリミアを併合した時も、単純に軍の力だけでなく、ウクライナについてのネガティブな情報を現地にバラまく。現地の人たちが不安感を抱いたところで、ロシアが出ていく」

 名うての参謀総長の最前線訪問でロシア軍の士気を高揚させるはずが、負傷したという情報が正しければ、その狙いは逆効果になるかもしれません。

 デイリー・メールは「プーチン軍にとって、またしても屈辱的な敗北となった」と論評しています。

 今回の報道について、ウクライナ当局は「ゲラシモフ参謀総長が(ウクライナ東部の)最前線を視察したのは把握しているが、我々の攻撃で負傷したかどうかは承知していない」としています。

(「グッド!モーニング」2022年5月3日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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