「選択的週休3日」給料が2割減? 利点や課題は・・・(2021年4月6日)

とれたてのバズった話題をお届けする「トレバズ」のコーナー。      
            
(大木優紀アナウンサー)
今日はこちら!政府が6月にもまとめる「骨太の方針」へ、「選択的週休3日制」の反映が検討されているというんです。「選択的週休3日制」とは週休3日を希望する人に理由を問わず選択できる制度の事です。柳下さん!週休3日って魅力的な響きですよね?

(柳下圭佑アナウンサー)
いいですよね!週に3日休みがあるのは!あとテレワークも進んで趣味の時間に充てる人も多くなっているのでとてもいいことなのかと思っちゃいますよね。

(大木アナ)
そうなんです。響きだけは魅力的なんですが、この「選択的週休3日制」を紐解いてみると様々な背景があることがわかってきました。見ていきましょう。まず今回「一億総活躍推進本部」の議論に出ている週休3日制というものは、やっぱり柳下さんの話でもあったようにコロナ禍のテレワーク促進というのが背景にありました。ただ、労働時間が減るとその分給与も減ってしまうのが一般的だそうです。

(林美沙希アナウンサー)
やっぱりそこが心配ではありますよね。

(大木アナ)
では、どういう方が利用するのか?みなさんそれぞれ理由がありまして、理由は問わないというところも特徴なんですが、子育てや介護、大学院進学やボランティア活動、副業などなど、そういったものを仕事と両立させたいという人の為に制度が検討されているんです。ただ私なんかは今の日本社会では子育てや介護があることでキャリアを一旦中断する、これなかなか怖い選択だなって感じるんですよね。そうした中でうまく時間を減らして働けるのであればもしかしたら有益なのかな、活用できる方もいるかなって感じたんですが、小松さんいかがですか?

(小松靖アナウンサー)
それは「選択的週休3日制」がいい方に働くんじゃないかって思いですよね。

(大木アナ)
やっぱり皆さんの中で不安な声がSNSの中でも聞かれました。多かったのが「給料が減ってしまっては生活が成り立たないんじゃないか」という意見。「結局副業するしかなくなっちゃうよね」なんて声もありました。

(林美沙希アナ)
ただ副業と言っても、簡単には稼げなかったりするわけで・・・

(大木アナ)
そうですよね。限られた時間でパッと稼げるってなかなかありませんよね。

実は実際にこうした制度を導入している企業がありました。ユニクロを展開するファーストリテイリングが2015年から変形労働制というのを導入していまして、週休3日の場合は2時間多く、1日10時間働く事で勤務時間もお給料も変えないで行われているんです。

この制度を介護に利用した女性はこんな声。「以前より母と過ごせる時間も増え、自分の時間も確保できた」。そして夫婦で家事と育児を助け合うために利用した男性は「夫婦でバランスよく家事・育児を分担することができるようになり、妻は仕事の時間を増やすことにしました」。こんな風にうまく利用している方もいらっしゃいました。

一方で専門家からはこんな声も聞かれたんです。同志社大学政策学部の太田肇教授は「働き方の選択肢が増える一方、不利益を被る人が現れる可能性も」と指摘しています。ん??どういうことか?1会社がコストカットに利用するようなケースが出てくるんじゃないか?小松さん、「選択的」とついてるから選択権は私たちにあると思いきや、会社によってはこれを利用してコストカットなんてところも出てくると労働者としては確かに不利益ですね。

(小松アナ)
そうですね。給与がどういう仕組みで支給されるのかという所をしっかりしておかないと、時間給の場合は当然短くなるでしょうし、そこは各企業の就業規則に照らして考えることが大事なのかもしれないですね。

(大木アナ)
そういう所も含めて、しっかり選択できるといいなと思いますね。

また太田教授からはこんな指摘も。2フリーランスの仕事を奪うことになるんじゃないか?本業があって副業としてある仕事をしている人は、本業の安定した仕事があるので料金を抑えられる。さらに本業で得た知識を能力をいかすことができる。一方フリー1本でやっている人は、なかなか料金を下げられない。この2人が争った時に、フリーの方の仕事が奪われる結果になるケースもあるのではないかということです。

(林美沙希アナ)
確かに・・。

(大木アナ)
色々な意見があるわけですが、もしかしたら労働市場全体のバランスが変わりかねない制度なのかなという事も見えてきました。

(小松アナ)
あと、コロナで皆さん、働き方を色々やった結果、1時間でできる仕事の質がおそらく変わったと思うんですよね。そうなると時間の使い方、休日の使い方という事で考えてみようかなというのは一つ前向きな議論かもしれませんね。

(大木アナ)
やっぱり選択ができる。ここは大きいのかもしれませんね。以上、今日のトレバスでした。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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