ロシアが事実上制圧したと主張したウクライナ南東部マリウポリについて、ゼレンスキー大統領は「ウクライナ軍がまだ残っている」と強調、アメリカのバイデン大統領も「陥落した証拠はない」と反論しています。
ウクライナ ゼレンスキー大統領
「ロシア軍がマリウポリの大部分を占領した事は知っている。しかし、街の一部には私たちの兵士が残っている」
ゼレンスキー大統領は21日、マリウポリにはウクライナ軍が残っているほか、女性や子どもを含むおよそ12万人の市民が足止めされていると指摘。避難のための人道回廊の使用をロシア軍が阻止していると非難しました。
また、軍事組織「アゾフ連隊」側は「我々の軍隊はマリウポリにいて、街を守り続けている。1万人を超える敵軍と対峙している」と訴えています。
マリウポリについてはアメリカのバイデン大統領も21日、「陥落したとの証拠はない」とロシアの主張に反論しています。
バイデン大統領
「ロシアがマリウポリを支配しているかは疑問だ。マリウポリが陥落したという証拠は何もない」
そして、バイデン大統領はロシア軍が大規模な攻勢をかけるとみられる東部ドンバス地方での戦闘に向けて、8億ドル=1000億円規模の新たな軍事支援を行うことを発表しました。
今回の支援では、りゅう弾砲72門と砲弾14万4000発が提供されるほか、ロシア軍との戦いのために開発され「フェニックスゴースト=不死鳥の亡霊」と名付けられた新型ドローン120機以上も提供されるということです。この新型ドローンについてアメリカ国防総省のカービー報道官は「主な役割は攻撃だ」と説明。
詳しい能力や特徴は明らかにしませんでしたが、これまでに提供している戦車などを破壊可能な自爆型の攻撃ドローン「スイッチブレード」と「能力は似ている」としています。
一方、ロシア国防省はウクライナ東部を中心に3日連続1000か所以上を攻撃したと発表。ロシア側は制圧を目指すドンバス地方に戦力を集中させる狙いがあるとみられ、攻撃がさらに激しくなることが予想されます。
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