依然、激しい戦闘が続くウクライナで、ロシア侵攻後、日本人として初めて医療活動を行った男性医師を独自取材しました。
■市内の避難所訪問・・・“応急措置”も
5日午前11時半すぎ、ウクライナからの避難民20人を乗せた政府専用機が、日本に到着しました。
大阪・吹田市在住 重山ネリさん:「家族、娘と孫。とてもうれしいです。日本、本当にありがとうございます」
戦火を逃れた人たちがいる一方で、医療の面から支援するため、ウクライナへ向かった日本人の医師がいます。
「国境なき医師団」の救命救急医・門馬秀介医師(48)です。
先月19日に日本を出発し、最初に訪れたのは、西部の主要都市・リビウ。そこから1000キロほど移動し、東部の都市・ドニプロを訪れました。
激戦地となっている要衝・マリウポリから西に300キロほどの場所にある街です。
門馬医師:「私の友人です」
通訳:「皆さんの支援、援助に大変感謝しています。この素晴らしい方も、派遣してくれて、ありがとうございます」
門馬医師のチームは、どのような支援が必要か確かめるため、市内の避難所を訪れました。
門馬医師:「新しい包帯を渡します」
この女性は、やけどを負っていました。足の指が痛いという男性は、マリウポリから避難してきたといいます。
通訳:「彼は靴を履いていて、地下にいたので、1週間履きっぱなしでした」
門馬医師:「抗生物質は要らないので、とにかく、よく洗って下さい」
これ以上、悪化することのないよう、応急処置を施しました。
■戦線拡大に備え・・・“ノウハウ”伝える
門馬医師のチームは、ドニプロに活動拠点を置くことにしました。
門馬医師:「大きなおうちを借りて、1階がオフィスで、2階、3階が泊まる部屋。僕の部屋には、5人の男が」
先月25日は、ドニプロから南に80キロほどの場所に位置する南東部・ザポリージャの医科大学病院へ行きました。
門馬医師:「そうして方法を見つけ出すので、大丈夫です。彼らは、何が良くて何が悪いか、まだ分かっていませんでした」
戦線が拡大した場合に備えて、大勢の負傷者が出た際の対処法を指導するためです。多くの負傷者のうち、優先順位をつけて治療する「トリアージ」などのノウハウを伝えました。
■門馬医師「達成感というより喪失感」
現在、門馬医師は、ウクライナでの2週間ほどのミッションを終え、ポーランドで、帰国のための準備をしているといいます。
門馬医師:「僕は帰って、普通の平和な生活を送れますけど、ウクライナでは、そういった生活がまだ続いていますし。そういうことに、お手伝いできないということには、すごく逆に、むしろ達成感というより喪失感」
(「グッド!モーニング」2022年4月6日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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