宮城・福島で起こった最大震度6強の地震。その時、震源から遠く離れた東京でも停電が起こっていました。
実はこの停電「強制的に部分的な停電を発生させる仕組み」によるいわば「強制的な停電」でした。今後もこうした離れた地域での地震などが、関東や東京に影響を与える可能性もありそうです。また、スマホが圏外になるなどの声も聞かれました。これは地震による一時的なアクセス集中などの原因が考えられるそうです。
そんな時の対処法として「3G回線」にすると繋がりやすくなるケースもあるそうです。電力もスマホも、無くてはならないもの、いざという時の備えなど解説します。
■より広範囲な停電を回避するためのための停電
上村彩子キャスター:
3月16日の地震発生後揺れの大きかった東北地方だけでなく、関東でも大規模な停電が起こりました。最大で約200万軒が停電。
そして東京都は、最大震度4を観測し、停電したのは最大で約70万軒です。
停電は地震の発生後、約3時間で復旧しました。
東京の地図を見ると、23区は部分的な停電はありましたが、中野区や新宿区は停電しなかったということもありました。
3月17日午前2時ごろの東京・北区の写真を見てみましょう。皆さんの家はどうだったでしょうか?自分の家は停電していても、窓から見て前の家は電気がついていたり、通りを挟んだ前のマンションは電気がついているということもあったかもしれません。部分的に消えているところもあれば、ついているところもあるわけです。
実は、より広範囲な停電を回避するための部分的な停電だったということです。
今回の3コマでは、この部分的な停電がどういうシステムなのか、見ていきます。
■電力の話
普段は、家庭などでの消費電力量、需要側と発電機の出力量、供給側がバランスが取れている状態になっています。この需給のバランスが崩れてしまうと広範囲なところで停電が起きてしまいます。
今回の地震は複数の火力発電所が安全のため自動で停止したため、強制的に部分的な停電を発生させる“安全システム”が作動しました。この安全システムが作動することよって、発電機の出力の量が減ってしまいます。そうすると、消費電力量がそのままだと、需要側がバランスが重くなってしまうので、消費電力をカットします。これが部分的な停電だったわけですが、需要側をカットすることによって、供給側とのバランスが保たれていました。
強制停電をしたことで、東京は最大で70万軒が停電してしまいましたが、これによって広範囲な停電は回避したとも言えます。
■強制停電の地域はどのように決まるのか?
上村キャスター:
昨日は停電などいかがでしたか?
熊崎風斗キャスター:
停電しました。停電すると当たり前ですが、テレビも見られないですし、携帯電話も充電できない。暗いので、下に置きっぱなしにしている子供のおもちゃで、つまずきかけました。こうなることも予想して行動をしていかないといけないということを強く感じました。
上村キャスター:
では、この強制停電の地域、どのように決まっているのでしょうか。電力の需給のバランスを取るために、適切なエリアを自動で判断します。
変電所のエリア単位で停電することになっています。東京電力パワーグリッドによりますと「優先順位の設定はない」ということです。どこの区が停電するということは決まっていないそうです。
さらには停電している地域の方でも、信号機がついているというところもあったかもしれません。警察庁によりますと「自家発電装置などを備えた停電でも消えない信号機の設置が進んでいる」ということです。災害などに備えて少しずつ進んでいるそうです。
そして、停電への備えです。手回し充電のラジオライト(アイリスオーヤマ 5,808円税込)というものが売っています。自分でハンドルを回して発電するので、電池も不要ですし、ラジオを聞くことができます。さらにスマートフォンの充電もできるということで便利です。
ホラン千秋キャスター:
きっとこうなるだろうなという想定を自分の中でしていても、実際に電気が全くなくなったときになると気がつくことが結構ありますよね。
熊崎キャスター:
ありますね。それから、単純に家を綺麗に片付けておかないといけないですね。というのは、階段の横などに、畳んだ服などを置きっぱなしにしていると階段の下りる面積が少なくなるので、そこでちょっと危ない、落ちるんじゃないか、真っ暗で見えないので、怖いなというのは本当に感じました。
萩谷麻衣子 弁護士:
私は心配性なので、手回しのラジオを買いましたが、今どこにあったかなとわからなくなりました。ちゃんと、用意しておかないとだめですね。
上村キャスター:
用意して、そして普段から使えるように練習しておくことも大切かも知れません。
■なぜスマホのネット不通?
上村キャスター:
さらには停電もしていて、スマートフォンでの混乱もあったということなんです。
停電しているしスマホが圏外という方、さらにはスマートフォンでネット繋がらない、再起動しても駄目という声が聞かれました。なぜスマートフォンのネットが繋がりにくくなったのかといいますと、考えられるのは、設備の故障、そしてアクセス集中による混雑です。
NTTドコモによりますと「関東では設備の故障は確認がなかった。そして今回の都内などでの通信障害は、地震発生後の一時的なアクセス集中による混雑が要因と考えられる」ということです。
しかし、最初は繋がらなくても、途中から繋がったという人もいたそうです。どういうことかというと、スマートフォンを3Gの回線にしたら、ようやくネットが繋がったそうなんですね。
MM総研の横田英明研究部長によりますと「4Gであったり、5Gの回線が混雑していた。使用している人が少ない3G回線はサクサク動く。3Gサービスは今後、キャリアごとに徐々に終了するが、余震に備えて3Gに切り替える方法を知っておくべき」ということです。
皆さん切り替え方を知らないですよね。
iPhoneの画面で、どういう風に設定するのか見ていきましょう。
(1)「設定」のアイコンをタップします。
(2)「設定」の中の「モバイル通信」をタップします。
(3)「モバイル通信」の中から「通信のオプション」のところに行きます。
(4)「通信のオプション」の中から、「音声通話とデータ」に進みます。
(5)「音声通話とデータ」の中に、3Gと選べるところがあるんです。
繋がりにくいときは、この手順で4G、5Gであったり、3Gというものを試してください。
全ての機種で、できるとは限らないですが、このようにいろんな回線を試してみることが大切ですね。
(17日19:14)
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