“停戦交渉”近日中に再交渉も・・・首都キエフに迫るロシア軍(2022年3月1日)

 初めての停戦交渉でロシアとウクライナ両国は近日中に再び協議を行うことで合意しました。しかし、ロシア軍は首都キエフの北方で部隊を増強させています。

 ウクライナ国防省がツイッターで公開した動画。ウクライナ側に捕まったロシア軍の捕虜です。

 ロシア軍捕虜:「ママ。僕をここから助け出して」

 内容は自らの言葉なのか、言わされているのかは分かりません。

 ロシア軍捕虜:「(ロシア軍は)丸腰の市民は銃撃しないと言っていたのに、すべて嘘だ。幼稚園も攻撃している。プーチンに訴えて下さい。もうたくさんだ。良いことは何もない」

 ウクライナ側は、こうした動画を公開することで、軍や国民の士気を上げようとする意図があるとみられます。

 そんななか行われたロシアとウクライナによる停戦協議。

 ロシア側によりますと、双方が結果を持ち帰って協議するといいます。ただし、互いの要求には大きな隔たりがあり、合意に至る可能性は低いとみられているのです。

 ウクライナ側は親ロシア派が実効支配しているクリミアとウクライナ東部を含むウクライナ全土からのロシア軍の撤退を求めています。

 ウクライナから出て行ってくれというウクライナに対し、ロシア側はウクライナの非武装化と中立化、さらにクリミアでのロシアの主権の承認を求めています。

 武器を捨ててNATO(北大西洋条約機構)にも加盟するなというのでしょうか・・・。

 ロシア側が世界に向けて“交渉に応じた”というポーズを見せただけとみているのか、ゼレンスキー大統領は交渉前から「交渉には期待していない」と話していました。

 両国は近日中に再び交渉を行うことで合意しています。

 現地から送られてくる映像では相変わらず住宅への攻撃が続いています。

 破壊された部屋のなかに、ミサイルが・・・。この光景が今、ウクライナの市民が見ているものです。その市民も徹底抗戦の構えです。

 街を占領したロシア軍に抗議する市民たち・・・。

 こちらは市民が戦車に立ちはだかっています。

 また、女性たちも集まって後方支援です。

 英語教師、ナタリア・クフタさん(26):「細長い布切れを網に結び付け、ウクライナ兵が武器を隠すネットのようなものを作ります」

 ウクライナ内務省によりますと、キエフでは約100の特殊警察隊が検問を設け、不審な車などロシアの潜入部隊を探しています。

 キエフ市民はロシアのスパイやロシアに買収された人たちがテロを起こすなど、キエフ内部での攻撃もあると話しています。

 そんななか、イギリスの「タイムズ」は驚きの情報を入手したと報じました。

 イギリス「タイムズ」:「400人以上のロシアの傭兵(ようへい)がロシア政府から、ゼレンスキー大統領とその政権幹部を暗殺するように命令を受けて活動している」

 また、イギリスの国防相がプーチン大統領について、こう話したと伝えました。

 イギリス「タイムズ」:「友人のいないプーチン大統領はウクライナ問題で完全に正気を失った」

 欧米からの厳しい経済制裁にも強硬姿勢を崩さないプーチン大統領。

 ロシア国営のタス通信は先月28日、ショイグ国防相がプーチン大統領に対して核を含む「抑止力部隊」が厳戒態勢に移行したことを報告したと伝えました。

 これに対し、アメリカは・・・。

 アメリカ国防総省・カービー報道官:「ロシアの核戦力について、人員が強化されたか確認できていない」

 アメリカ国防総省はロシア軍による核戦力の態勢強化について、今のところ変化はみられないという見方を示しました。

 核をちらつかせるプーチン大統領。

 日本の岸田総理はG7(主要7カ国)などの首脳らと電話会議し、国際社会が結束して毅然(きぜん)と対応することが重要だと訴えました。

 岸田総理大臣:「唯一の戦争被爆国、とりわけ被爆地・広島出身の総理大臣として、核による威嚇も使用もあってはならない」

 会議では、ウクライナに対する支援や避難民の支援で協力していくことで一致しました。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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