2日にも2回目の停戦交渉が行われると報じられていますが、首都キエフなどでは攻撃が激化しています。ゼレンスキー大統領はロシアが攻撃をやめなければ交渉には応じられないと訴えています。
1日午後、ウクライナの首都キエフに建つテレビ塔が爆音とともに燃え上がりました。
ロシア軍による攻撃です。
CNNの記者:「(Q.キエフでは今夜何が?)非常に緊張する夜でした。大きな爆発音が3回、街の北東部から聞こえました。その数時間前にも巨大な爆発があり、キエフのテレビ塔が攻撃を受けたためだということです」
キエフの市長によると、2発のミサイルが撃ち込まれ、近くを歩いていた人5人が殺害されました。
消防士:「生きている。大丈夫。落ちてきたよ」
テレビ塔は民間の運営。複数の放送が中断され、近くにあるホロコースト慰霊施設も被害を受けました。
ナチス・ドイツに銃殺されたユダヤ人など、7万人から10万人が眠るヨーロッパ最大のホロコースト集団墓地です。
また、ウクライナ大統領府からもおよそ6キロしか離れていません。
攻撃の数時間前、ロシア国防省はウクライナ治安機関に関する、他の施設への攻撃を予告し、住民に逃げるよう警告していました。
ロシアはキエフへの攻勢を強めています。キエフから西におよそ100キロに位置するジトーミルです。
ジトーミル、スクホムリン市長:「たった今、第2病院近くの住宅が空爆された。爆発は数回あり、建物は破壊された。病院のドアと窓もすべて吹き飛ばされた」
ウクライナ政府によると、この攻撃で4人が殺害されました。
キエフの東側近郊の街、ブロバルイではウクライナ軍の検問所が砲撃されました。
医師:「爆発の後6人の遺体と、ひどく負傷した患者2人が運び込まれた」
危機が迫るなか、キエフ中央駅は街を出ようとする人で溢れ返りました。
避難する人:「キエフは今後数日で、より危険になると思うから逃げることにした。だけど希望は持っている。ウクライナ軍を信じているし、打ち勝てると信じている」「町を出ることは大きな悲劇です。戻ってこられるかも分からない。出ていきたくはないけど、とどまるのは危険すぎる」
ロシア軍はウクライナ第2の都市ハリコフも激しく攻撃しています。1日、州の政府庁舎が砲撃されました。
ハリコフ州・シネグボフ知事:「きょう、敵は狡猾(こうかつ)に多連装ロケットと巡航ミサイルで、ハリコフ中心部と居住エリアを砲撃した」
映像をゆっくり再生すると、空からミサイルが飛んできていることが確認できます。
撮影者:「私たちの政府庁舎だ。涙なしには見られない」
ウクライナ非常事態庁・バシレンコ氏:「人々が、がれきの下敷きになっている。6人の遺体と20人ほどの負傷者を運び出した」
この攻撃で少なくとも10人が死亡しました。
東部ドニプロで夜、空襲警報が鳴り響き、人々は懐中電灯のわずかな光を頼りに防空壕(ごう)に避難しました。
避難した住民:「どこにロケットが飛んでくるか、街に何が起こるか分からない。たった5分の間で物事が起きる。ここ数日、地獄の中にいる」
ニューヨーク・タイムズによると、アメリカ国防総省の関係者は、ロシア軍のなかにはウクライナ軍の抵抗に遭い、戦わず投降する部隊も出ているとしています。
この関係者は、ロシア軍のかなりの数は訓練が不十分で全面的な攻撃の準備ができていない、徴兵された若い兵士だとしています。戦闘を避けるためか、自ら車の給油タンクを破損させたケースもあったといいます。
その一方、ロシアがより激しい攻撃に出る可能性も出てきています。
ウクライナとロシアの2回目の停戦協議は、日本時間の2日にも行われる予定です。ただ・・・。
ロシア、ショイグ国防相:「ロシア軍は目的を達成するまで作戦を遂行する」
ロシアのラブロフ外相は、国連軍縮会議でウクライナの核武装を防ぐためだと侵攻を正当化するビデオメッセージを流しました。
ロシア、ラブロフ外相:「ウクライナは旧ソ連時代の核技術を保持し、核兵器を運搬する手段を持っている」
ただ、ラブロフ外相の演説が始まると、ほとんどの大使が一斉に退席しました。
アメリカのバイデン大統領は、一般教書演説でプーチン大統領は大きな誤算をしていると語りました。
アメリカ、バイデン大統領:「(プーチン大統領は)何度にもわたる外交的努力を拒絶した。西側とNATO(北大西洋条約機構)が対応しないと思ったのだろう。ヨーロッパを分断できると考えたのだろう。だがプーチンは間違っている。我々は準備ができている」
メディアの取材を受けたゼレンスキー大統領は、西側諸国はロシアの飛行機やミサイルなどの飛行禁止区域設定を検討すべきだと主張しました。
ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「(Q.アメリカはウクライナ領空での飛行禁止区域設定をしないといっていますが)飛行禁止区域の設置は大きな助けになるだろう。NATOを戦争に引きずり込むものではない。しかし、ウクライナ一国で戦うことはできない」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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