「NATO側リーダーたちから攻撃的発言」プーチン大統領 核抑止力部隊“厳戒態勢”に・・・(2022年2月28日)

 ウクライナ情勢が、新たな局面に入りました。ロシアのプーチン大統領は、欧米による金融制裁などに反発し、核抑止力部隊を特別戦闘準備態勢に移行するよう命じました。

■核抑止力部隊に“警戒命令”

 プーチン大統領:「西側諸国が我が国に対して、友好的な態度でないばかりか、経済面でも不法な制裁の行おうとしています」

 日本時間の27日午後10時半ごろ、プーチン大統領は、いら立ちをあらわに、こう話しました。

 ウクライナへの侵略は、思うように進んでいません。

 武器や弾薬をウクライナに送る動きが、西側諸国に広がっていることも、想定外だったのでしょうか。

 EU(ヨーロッパ連合)とアメリカなど6カ国は、国際的な金融システム「SWIFT」から、ロシアの一部の銀行を排除するとの共同声明を発表しました。

 ロシアにとって大打撃だったのは、最後の切り札とされた経済制裁が早々に出されたことです。さらに、アメリカのバイデン大統領も、態度を硬化させます。

 バイデン大統領:「選択肢は2つだ。ロシアと実際に戦火を交え、第三次世界大戦に突入するか、あるいはロシアに国際法違反の代償を払わせるか、どちらかだ」

 プーチン大統領は、声明でこう警告しました。

 プーチン大統領:「NATO側のリーダーたちから、攻撃的な発言がなされています。したがって、防衛大臣、参謀長に、ロシア軍の制圧部隊を特別戦闘準備態勢に移すことを命令します」

 核を含む「抑止力部隊」を厳戒態勢に移すよう指示したのです。

 会見に同席した国防大臣と参謀長、そしてプーチン大統領の3人のうち、2人集まれば、核兵器のスイッチが起動できると言われています。

■“第2の都市”にロシア軍

 今なお、戦闘が激化しているウクライナ国内。首都キエフの近郊で、石油貯蔵施設が爆発し、炎上しました。

 第2の都市、東部のハリコフにも戦火は広がっています。

 激しい炎と、巨大なキノコ雲。27日、ウクライナ政府は、ガスのパイプラインがロシア軍によって攻撃されたと発表しました。

 そのハリコフの中心部に27日、ロシア軍の戦闘車両が入ったと、ウクライナのメディアが伝えました。銃声や爆発音も聞こえます。

 撮影者:「この映像を見ている皆さん、私はここにいます。子どもも一緒です。お願いです、私たちを救出して下さい」

 ロシア軍がハリコフ市内の集合住宅を砲撃し、住人の女性1人が死亡、20人が救助されたということです。

 戦況を巡る、情報戦も過熱しています。

 ハリコフでの戦闘について、ロシア国防省は、次のように発表しました。

 ロシア国防省報道官:「ハリコフでは、ウクライナ兵471人が、自発的に武器を捨て投降した。現在、彼らを拘束しているところだ」

 これに対し、ハリコフの当局者は、この発表はフェイクニュースだと否定しています。

 さらに、ロシアの下院議長は、自身のSNSで、ウクライナのゼレンスキー大統領はすでにキエフを退避し、西部の町に移動したと主張しました。

 ウクライナ軍の士気を下げることを目的にした、情報戦の可能性があります。

 ゼレンスキー大統領は、ビデオメッセージで繰り返し、キエフに留まる意向を表明し続けています。

■「前提条件なし」停戦交渉へ

 日本時間の27日午後4時ごろ、ロシアのタス通信は、政府代表団が、ウクライナとの停戦交渉のため、ベラルーシに到着したと報じました。

 しかし、ベラルーシは、ロシアの同盟国であり、今回のウクライナ侵攻では、ベラルーシ国境からロシア軍が攻め込んだとの報道もあります。

 ロシアの提案に、ウクライナのゼレンスキー大統領は、次のように話しました。

 ゼレンスキー大統領:「ベラルーシからの攻撃がなければ、そこで話し合いもできたでしょう。交渉は、ミサイルが飛ばない国でなければなりません」

 親ロシアのベラルーシでの協議には応じられないと回答。NATO加盟国のポーランドなどでの開催を希望し、ロシアの提案を突っぱねたのです。

 ウクライナの大統領報道官が、協議を拒否した理由をSNSで明かしました。

 ウクライナの大統領報道官:「調整の最終段階で、ロシアが武器放棄を要求した」

 降伏を条件にした停戦交渉には応じられないというわけです。

 協議に応じるかどうか、ロシアはウクライナに対し、回答期限を日本時間の27日午後9時と設定したうえで、「協議を拒否し、流血の惨事になれば、責任はウクライナにある」と通告していました。

■“ベラルーシ国境”で交渉へ

 そして、事態は急変します。

 ゼレンスキー大統領がSNSを更新。ロシアとの停戦交渉に一転して、応じる構えを見せたのです。

 ゼレンスキー大統領:「正直に言えば、この協議をやっても、成果は出ないと思いますが、やってみようと思います」

 ベラルーシのルカシェンコ大統領と話し、ベラルーシとの国境で、前提条件を付けずに、ロシアと交渉すると発表しました。

 ウクライナ代表団の安全確保についても、ベラルーシ側が請け負ったとしています。

(「グッド!モーニング」2022年2月28日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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