放課後や長期休みなどに小学生を預かる施設である「学童保育」では、全国各地で児童や職員の新型コロナ感染が相次いでいます。第5波で子どもの感染リスクが急拡大している中、学童保育の施設ではどのような対策をしているのか、取材しました。
全国各地で相次ぐ、学童保育に通う児童や職員の感染。
東海3県でも8月、愛知県半田市で6人の感染を確認。9月2日時点で、21人の陽性者が報告されています。
8月には三重県伊賀市で、5月には岐阜県笠松町の施設でも感染者が確認されました。
第5波で子どもの感染リスクが急拡大している中、学童保育の施設ではどのような対策をしているのか取材しました。
『黙食』の徹底 おやつの時間は音楽を流し、しゃべらない
名古屋市瑞穂区にある弥富中根第1学童クラブ。小学6年生までの47人の児童が利用しているといいます。
「子どもがマスクを取るときは、おやつやお弁当を食べる時なので、しゃべらないというのを徹底しています」(弥富中根第1学童クラブ 指導員 杉野晃寛さん)
黙食の徹底に加えて机の数を増やし、児童同士が向き合わないように座らせているそうです。
「どうしたらしゃべらずにできるかということを考えて、歌を流そうかということで歌を流しておやつを食べています」(指導員 杉野晃寛さん)
児童が少しでも食事の時間を楽しめるよう音楽を流し、その間はしゃべらない、というルールにしています。
場所を増やし、晴れなら外と室内に「グループ分け」も、雨が降ると…
そして、他にもコミュニティセンターを利用して、3カ所で保育をしている時もあるといいます。
入所児童の増加により2020年4月から近くのビルの1室をレンタルしているそうですが、これに加えて、コロナ対策として区のコミュニティセンターを借りることがあるそうです。
場所を増やす理由は…雨です。
「雨が降って外に出れないという日が続くと、室内に子どもが集まってしまって、勝手に密になってしまうんですね。どうしたらいいかと考えた結果、新しいところを借りることにしました」(指導員 杉野晃寛さん)
普段は室内で遊ぶグループと、公園など外で遊ぶグループに分かれますが、雨の日は室内に集中してしまいます。
そのため、場所を借りて分散しているそうです。
学校の短縮授業の影響で学童が「密になる時間」が
しかし、8月に出された緊急事態宣言によってある問題も出てきました。
「コミュニティーセンターも午後3時からしか借りられない場合、午後1時半から保育だとどうしたらいいか困りますよね。その2~3時間がここに集まってしまうので、密になる可能性が高いなとは思っています」(指導員 杉野晃寛さん)
この施設がある名古屋市では緊急事態宣言中、公立小中学校の短縮授業を実施。児童が来るのは午後1時半ごろですが、午後3時まで別の団体が使っていることがあり、借りられるまでの間、密になる時間ができてしまうといいます。
「午後3時までDVDをつけて過ごすなど、考えてやっていました」(指導員 杉野晃寛さん)
緊急事態宣言の延長で、短縮授業も継続に…感染対策に対する意識も日々高まっているといいます。
「子ども同士だとくっつくスキンシップってあると思うんですよ。指導員にもくっついてくるんですけど、それを受け止めるのも大事だけど、受け止め続けて密になるジレンマなど、どうしたらいいかというのを指導員たちで話し合って対策を考えています」(指導員 杉野晃寛さん)
子どもとのスキンシップにジレンマ いつ感染するかわからない不安
愛知県内の学童保育の活動を推進する団体である「愛知学童保育連絡協議会」には、指導員の精神的な不安が寄せられているといいます。
「指導員で感染した方が何人も出ているんですね。感染したことによって学童保育所を休所している、感染した指導員は『私の責任だ』と思ってしまう事があります。感染していない指導員もいつかかるかわからない、メンタルがいつやられるんだろうと…」(愛知学童保育連絡協議会 賀屋哲男 事務局長)
感染者が出た場合の対応の仕方や保証がはっきり決まっておらず、指導員は大きな不安を抱えているといいます。
「県に言っているのは、PCR検査をしてほしいと。指導員が安心して働くために保護者も陰性なら安心できると思います」(賀屋哲男 事務局長)
(9月13日 15:40~放送 メ~テレ『アップ!』より)
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