コロナはただの風邪?専門家「全く違う」理由は肺炎、後遺症など

オミクロン株の様々な情報がある中、「オミクロン株」はただの風邪ではないか?と考えている人もいます。そこで、その率直な疑問を感染症の専門家に正直にぶつけてみました。答えは「ただの風邪ならここまで恐れる必要は無い」、つまり風邪とは全く異なると言うことです。理由としては、肺炎になる、死亡するケースもある、死亡率も高い、後遺症がある、などが挙げられるそうです。

その他、コロナは解熱剤で治るのか?など、コロナやオミクロン株に関して、今わかっていることを教えてもらいました。

■オミクロン株 受け止め方は様々

齋藤慎太郎キャスター:
1月19日の全国の新型コロナウイルスの感染者数は過去最多となりました。こうした中、人々の行動を見ていくと、ある傾向が浮かび上がってきました。それはオミクロン株に対しての受け止め方に人それぞれ大きな違いがあるということです。行動が両極端になってきています。

オミクロン株の感染が拡大しているので「ご飯は公園でひとり飯」。さらに「免疫力を高めるために今日からR-1を飲み始める。コンビニで買いだめ」。こういった方がいる一方で、「感染増えているけど、今から派手に飲みに行く」「県をまたいで温泉旅行。オミクロン株知らんがな」。感染拡大の中心となっているオミクロン株ですけれども、その考え方、向き合い方というものも非常に大きな違いが出ているというところです。

■オミクロン株はただの風邪?

ここからは国際医療福祉大学感染症学講座主任教授の松本哲哉医師にオミクロン株に対してどう考えたらいいのか、素朴な疑問を聞いていきます。

SNSなどではこんな声が上がっています。「オミクロン株はただの風邪。予防とかほどほどでいいよ」「感染者1人で休校。対応が過剰」こういった声がある一方で「これだけ感染拡大していて、ただの風邪なわけがない」「症状が軽くても後遺症が出たらつらい」という声があります。では実際にオミクロン株はただの風邪なのでしょうか?

松本医師:
ただの風邪ならここまで恐れる必要はないわけですけれど、基本的には風邪ではありません。何が違うのかというと、まずオミクロン株に限らずコロナ自体は肺炎を起こします。そして一部の方は死亡されます。現在日本では致死率1%ぐらいの数字が出ています。これは風邪なんかと比べたら全然違います。そして後遺症。風邪では後遺症は起こりませんけれども、オミクロン株の後遺症は若い方でも起こります。なので、風邪ぐらいの症状しか出なくても、その後の後遺症で半年、1年ずっと悩み続けている方もおられます。そういったことを考えるとオミクロン株ということだけではなくて、コロナ自体が風邪では決してないと。確かにオミクロン株はコロナの中で少し症状が軽く出ますが、それだけで風邪と一緒にしてしまうのは危険だと思います。

井上貴博キャスター:
ちょっとこの質問自体が「ただの風邪である。○か×か」と二元論になっていること自体に違和感はあるんですけれど。オミクロン株のリスク判定をどうしていくのか、もちろん、現状ただの風邪なんていうのは暴論だと思いますが、そうではなくて、どのくらい変異してどう変わってきていて我々人類はどう向き合えばいいのか。リスク判定の部分だとは思うんですが。

松本医師:
お亡くなりになる方もいれば本当に風邪程度、あるいは無症状の方もいる。オミクロン株だけじゃないんですけど、人によって、重症度がすごく違うわけですね。やっぱり重症化しやすいのはリスクを持っている方です。まず高齢者、そしてワクチンを打っていない方と持病がある方。そういった方についてはやっぱりどうしても重症化しやすい部分がありますので、若い人たちの感染だけで済んでいる分にはいいんですけど、この先高齢者などに広がっていくと、“ただの風邪”とはとても言えなくなってくると思います。

■電車で感染?解熱剤で治る?

齋藤キャスター:
SNSではこのような声も上がっています。「感染力が強いので、満員電車でも感染するみたい」こういった声に対して対策する方もいます。「自転車通勤するしかない」「出張はグリーン車かな」電車で感染するというのは本当なんでしょうか。
さらにこんな噂もあります。「市販の解熱剤で治るらしい」。この噂を信じた方は「解熱剤、うちにある。これでオミクロン株も怖くない」。解熱剤で治るというのは本当なのか、そして電車で感染は本当なのか、こちら松本先生いかがでしょうか?

松本医師:
電車の中で感染するかしないかといえば、それは別に電車に限らず、みんなが近いところでしゃべったりすれば感染は起こります。電車の中でもみんながある程度静かにマスクをしていればそれほどリスクが高くなるわけじゃないんですが、ただやっぱり中でもしゃべったりする人がいたりするので、私はそこから離れるようにはしていますが、そういう意味では、もちろんリスクはゼロではありません。なので、気をつけていただく部分はありますが、みんながみんな電車で感染するというふうには考えなくていいと思います。
解熱剤の方は、もちろん熱が出れば解熱剤で軽くなるわけですが“治る”というのはちょっと考えすぎで、あくまでも症状を軽くするということはできるかもしれません。ただ、治るわけではないというふうに思います。

萩谷麻衣子弁護士:
私、基礎疾患はないんですが花粉症なんですね。もうすぐ鼻水・鼻詰まりとか出そうなんですけど、その場合にどういう行動をとるのが適切なのか。すぐに病院に行くべきなのか。でもそれじゃ医療がひっ迫しちゃうし自分でPCR検査をしてみて、陽性じゃなかったら鼻水が続いていてもそのままでいいのか。そのあたりを教えていただけないでしょうか。

松本医師:
私も本当に鼻水しかない人を検査して陽性だった場合があります。なので、鼻水だから大丈夫とは言えないんですけれど。やはりそれはそれぞれの方の(花粉症の症状が出る)季節がありますし。タイミングを見ていただく。また、コロナの鼻水だったらせいぜい1週間ぐらいですよね。花粉症の鼻水はずっと続きますので、そういう意味でちょっとこれは(いつもの花粉症の症状と)違うな、季節が違ったり程度が違ったりということであれば早めに検査をしていただいた方がいいと思います。

■オミクロン株でコロナ終息?

齋藤キャスター:
オミクロン株のピークが終わったら新型コロナは終息する派、そして終息しない派、この2つで意見が分かれています。SNSでは「オミクロン株で最終形態、新型コロナも終わりに近づいている感ある」。さらに「オミクロン株で新型コロナが終わるって言っている人も多い。よっしゃお酒飲もう」。こういった声がある一方で、終息しない派は「これで終わりならいいけど・・・たぶんさらに変異株出るよ」「次の変異株は強毒化される可能性もある」と、こちらも意見が二分しています。オミクロン株で新型コロナは終息するのでしょうか?

松本医師:
本当に終息してほしいですよね。ただオミクロン株が世の中に出てからまだ2か月も経ってないわけです。それでここまでの影響が出てくる。すなわち新しい変化がまだいろんなところで出る可能性があります。時間がそんなにかからず、わあっと広がっていく可能性もあります。そういう意味では、次の変異株は全く出てこない、これからどんどんワクチンも広がっていくということであれば安心材料になりますが、残念ながらそう簡単にはいかないと思います。

井上キャスター:
終息するかどうか明確に答えられる人は地球上に1人もいないという状況ですよね。

上村彩子キャスター:
私の周りで「オミクロン株は重症化しにくいので、むしろかかって免疫を獲得したい」という声も聞かれるんですが、こういった声についてはどのように考えてらっしゃいますか。

松本医師:
ワクチンを打てば免疫はできるわけなので。重症化しなくても、やっぱりそれなりに後遺症などもありますので、わざわざ感染して免疫を獲得するようなことはリスクが高いと考えた方がいいと思います。(20日17:20)

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