人間の営みが引き起こした最も大きな脅威のひとつが、2011年の震災のときの福島第一原発の事故で具現化されたにも関わらず、再びリスク・コミュニケーションという言葉が浮上するようになって2年が経とうとしている。
巧みな言葉の錬金術により、人間が引き起こすリスクと自然災害によるリスクは、「リスク」というカテゴリーで一括りにされてしまっている。原因管理について考えることは、もはや今日的意義がないように見えるが、ウルリッヒ・ベックの著書のタイトルにあるような、例外的な状況を普通としてしまう恐れのある社会である「リスク社会」を生きるのを認識することは我々の今後の課題である。今日のリスク・コミュニケーションの役割とは何なのだろうか。どのような目的で、誰に向けられているのだろう。リスク・コミュニケーションは情報ツールか、防衛の手段か、それとも、忍従、服従化のための道具なのだろうか。
【登壇者】島薗進(上智大学)、長谷川公一(東北大学)、鵜飼哲(一橋大学)、セシル・浅沼=ブリス(CNRS)、國分俊樹(福島県教職員組合)、後藤忍(福島大学)、名嶋義直(東北大学)、神田靖子(大阪学院大学)、影浦峡(東京大学)、鈴木真理(はっぴーあいらんどネットワーク、郡山)、千葉由美(いわきの初期被爆を追及するママの会)、鴨下祐也(避難生活を守る会)
【学術責任者】セシル・浅沼=ブリス(日仏会館・日本研究センター、CNRS、Clersé)
【主催】日仏会館フランス事務所、 Clersé (フランス国立科学研究センター・リール第 1 大学)
メインウェブサイト:http://www.mfj.gr.jp/
powered by Auto Youtube Summarize