プロフェッショナル「土木技術者・山口宇玄~ロープ1本で、世界の平和を守る~」[解][字]…の番組内容解析まとめ

出典:EPGの番組情報

プロフェッショナル「土木技術者・山口宇玄~ロープ1本で、世界の平和を守る~」[解][字]

ロープ1本でダムや橋の点検を行う土木技術者。明石海峡大橋や首都高速道路など、その依頼は国内外から!去年冬、巨大ダムでロボットを使った点検に初挑戦。その思いとは?

番組内容
ロープ1本でダムや橋を点検する土木技術者。明石海峡大橋や首都高速道路をはじめ、依頼は全国のみならず海外からも!▼兵庫にある大橋の点検現場に密着。およそ100種類の道具を駆使し、わずか数ミリのひび割れを見つけ出す、その技とは▼去年冬、巨大ダムでロボットを使った点検に初挑戦!しかし、失敗の連続…。点検の自動化にかける思いとは?▼人々の安全を守る為、ロープ1本に人生をかける、土木技術者を追う。
出演者
【出演】土木技術者…山口宇玄,【語り】橋本さとし,貫地谷しほり

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化

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解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

NHK
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1歩じゃないかと思います。

福島県 只見川にある 田子倉ダム。

貯水量は日本最大級。

ダムの高さは145mにもなる。

その巨大なダムの壁面に
男は1本のロープでへばりつく。

行っているのは ダムの壁面の点検調査。

ひび割れなど
僅か数mmの損傷を見つけ出す。

その仕事は 常に危険と隣り合わせ。

重機も入れず 足場も組めないため

長年 双眼鏡を使って
遠くから行っていた点検。

それを男は ロープ1本で近づき
目視で行う。

山口たちは 風車や橋 ダムなど

主にインフラの
点検・補修を手がける。

明石海峡大橋をはじめ
その依頼は

全国のみならず
海外からも寄せられる。

精度の高い技術と安全性の向上で
国から 新技術と評価された。

国内には 橋だけでも70万以上ある。

その半数が 7年後には
建設から50年に達し

老朽化が進む。

ひとたび
橋やトンネルの崩落事故が起これば

大惨事となる。

事故を未然に防ぐためにも
定期的な点検は重要だ。

あながち 間違ってもないな…。

だから ああそうか 僕ら
世界の平和を守ってるんだなって。

山口は 15年前に
仲間数人と京都に会社をつくった。

技術部の総責任者。

管理職でありながら
今でも現場に立ち続けている。

出勤するなり ゴミを捨て始めた。

すぐに現場へと向かう。

この日は 26年前に建設された
全長およそ250m

片側2車線の橋の点検を行う。

市街を通り 交通量も多い。

近隣住民にとっては欠かせない橋だ。

作業は 5人で5日間。

この橋の裏側を
隅から隅まで目視で点検する。

使う道具は およそ100種類。

それら全てを装着して
高さ18mの現場に持っていく。

その重さは 30kgになることもある。

小さな道具も落下しないよう
一つ一つ 体につなげている。

そして 自分たちの安全も
互いに確認し合う。

橋やトンネルは 5年に1度

近くから目視で点検を行うことが
法律で義務づけられている。

この日は その定期点検だ。

始めに ロープを引っかけるための
支点を作る。

今回は 前回の点検でコンクリートに
打ち込んだボルトを利用する。

≪じゃあ 外します。
(山口)は~い ありがとう。

橋の裏側には
点検用の足場は どこにもない。

体に装着した さまざまな道具を駆使し
全体重を支える。

5年前の報告書を基に
細かく損傷箇所を確認していく。

≪あれか。

山口が 前回は なかった
小さなひび割れに目を留めた。

(山口)はい サンキュー。

この巨大な構造物において 0.2mmは

直ちに事故につながるような
損傷ではないという。

だが ひび割れの原因によっては
中の鉄筋が腐食し

橋の強度が落ちることがある。

次に この橋の点検を行うのは5年後。

それまで 確認することができないため
徹底的に損傷箇所を調べていく。

さらに 気になる所は ハンマーでたたく。

外から見ただけでは分からない
内側の異常を 音で判別する。

高い所での作業。

山口は怖さを感じることは
ないのだろうか。

完全なぶら下がり状態に入ってから
5分間ぐらいは

こう 小刻みに ず~っと
手が震えてるなみたいなのがあったり

こうなんか 手 震えるなぁみたいな。

それは 多分…

百戦錬磨の山口でさえ
怖さを感じる この仕事。

だが それは
安全を守る上では大切だという。

一度 作業を始めると
その日の仕事を終えるまで

地上に降りることは ほとんどない。

そのため…。

1日に点検できる距離は
山口でも40mほど。

8時間に及ぶ この日の仕事を終えた。

後日 現場で撮った写真などを整理し

発注者に向けた報告書を作るまでが
山口の仕事だ。

今後 もう少し様子を見ましょうかって
なるのか。

何事もなくて よかったですね…

…という話になると思います。

看護師の妻と
2人で暮らしている山口さん。

自宅にお邪魔すると
やっていたのはコーヒー豆の焙煎。

(取材者)奥さんが ちょっと笑った…。

こうした山口さんのこだわりは 会社でも。

ありがとうございます すいません。

いただきます。

会社の全従業員に コーヒーのサービス。

あっ ありがとうございます。

コーヒーが苦手だという人には紅茶まで。

現場から帰ってきた ある日のこと。

仕事で使ったレンタカー
その拭き掃除までを徹底的に行う。

窓には 水をはじくコーティング剤。

さらに 駐車場にとまっていた
他の従業員の車にまで

コーティング剤を塗ってしまった。

極めつけは
自分は吸わないタバコの灰皿掃除。

こうした行動には
山口さんならではの考えがある。

積極的に いいことをしていかないと

多分 意図せずにやってる
悪いことの量に対して

いいことの量が
全然バランスしないみたいな。

だから なんか いつ死んでも
罵られないようにしとこうみたいな。

そういうのもあるのかな。

この日 会社の敷地内にある訓練施設で

講習会が行われていた。

山口は 技術部の責任者として
定期的に自社・他社問わず

社員教育の場を設けている。

この15年 技術や安全性の向上を
突き詰めてきた。

安全確認については 特に厳しく指導する。

この日 行われていたのは ロープ上で

万一 バランスを崩すなどした時に
安全を確保するための訓練。

はい 入ります。

まず 山口が手本を見せる。

え~っと 何するかっていうとね…

早速 3年目の社員が挑戦するが
なかなか足を離すことができない。

(山口)いけてる いけてる。

(山口)いける いける いける。

手を上げちゃダメよ だら~んと
だら~んと。

大丈夫 いけてるよ ほら そうそう。

全然… 全然いけてるでしょ。

さらに 万一 落下しても
技術によって守られていることを

身をもって体感させる。

というのをやるだけ。

こうした訓練には 山口の
安全に対する強い思いがある。

この技術を身につけ
仕事をする作業者は年々増え

今では全国で100人ほどになる。

しかし 山口は そのことに
ジレンマを抱えている。

作業前の朝礼。

山口さんが
どこまでも安全を追求するのには

今も毎日のように思い出すという
ある出来事があった。

北海道 十勝 中札内村で育った山口さん。

自然の中で遊ぶのが大好きな少年だった。

中学生の頃から 休みの日になると

登山や岩場のクライミングに興じた。

大学では土木を学び
地盤の強度について研究を重ねた。

29歳の時 山岳地で
地質調査を行っていた会社で働き始めた。

趣味のクライミングを
生かせる仕事だった。

その会社でロープ技術の基礎を学んだ。

そこでは 地質調査の他に
橋やダムなどの点検も行っていた。

双眼鏡を使った点検ではなく
ロープで構造物に近づいての点検で

細かな損傷を見つけると
取引先から喜ばれた。

1年半後 独立。

仲間と共に
橋や風車などのインフラを中心に

点検・補修を行う会社を立ち上げた。

山口さんたちは
技術と安全性を向上させるため

装着する道具の
耐久性の検証を重ねるなどし

独自の規定をつくっていく。

国から新技術と認定され 評価された。

それから数年後
山梨県にある笹子トンネルで

崩落事故が起こる。

原因は 老朽化による天井板の落下。

死者は9名にも及んだ。

この事故をきっかけに 国も法律を改正。

橋やトンネルは5年に1度

人が近づいて
目視で点検することを義務づけた。

会社の仕事は一気に増えていく。

従業員も増やし
山口さんは教育担当として

若手育成にも力を入れた。

そんな時だった。

1年目の若手が 橋の点検中に

10mの高さから落下する事故が起きた。

一命は取り留めたものの 大ケガを負った。

命綱が正しく橋に取り付けられておらず

本来 2か所で固定するところも
1か所でしか つながれていなかった。

安全に作業するために定めた手順を
踏んでいなかった。

教育担当をしていた山口さんは
自分を責めた。

現場に向かいながら…。

その墜落した同僚のお母さんにね
こう 電話するんだけれど…。

多分 そういう電話が 家族
一番 ハッとなるっていうの?

なんか 着信があると
ドキッとするっていう。

そのドキッを まさに
たたきつけた瞬間なんだけれど

そのお母さんが 電話の向こうで…。

すごい声出して泣き崩れるんだよね。

ほぼほぼ 毎日思い出すんですよね。

話すと思い出すから なんか
あんま話したくないですね。

自分の人生が 半分台なしになる。

もしくは 全部台なしになる。

そういうリスクも
はらんでるっていうことに関して

本当に こう 理解できて
受容できてるのかっていうと

多分 僕も その会社の中で
事故が起きるまでは

本当の意味では 多分
理解できてなかったんだと思う。

山口さんは 自分が背負っている
命の重みを改めて痛感し

仕事を辞めることも考えた。

山口さんは それでも
現場に立ち続ける覚悟を決めた。

≪はい どうぞ。

日々 安全に関する検証を繰り返し行い

そこで得たデータや情報は
インターネットで無料公開している。

♬~

♬~

♬~

朝7時 山口が
いつものように出勤してきた。

おはようございます。
(取材者)おはようございます。

仕事の安全性を向上させるべく
道を切り開いてきた山口たち。

この冬 新たな取り組みに
挑もうとしていた。

この日 向かったのは福島県。

62年前に出来た田子倉ダム。

この巨大なダムは 全長462m。

貯水量は 日本最大級。

ダムの高さは 145mにもなる。

山口でも これだけの高さの場所を
点検調査することは少ない。

しかも今回は 今までの点検とは違う
この新しい機械を使う。

カメラと電磁波レーダーを搭載し

ダムや橋などを点検するために
開発されたロボットだ。

建設コンサルタントの会社と
山口たちが 5年前から

知恵を出し合い 一緒に開発してきた。

今回 このロボットがダムの斜面で

どのぐらい正常に稼働するかを
初めてテストする。

これは 過去に実験した時のデータ。

壁面をカメラで連続撮影し
写真をつなぎ合わせることで

目視より損傷箇所の詳細を
立体的に捉えることができる。

今までは 彼らの目しかなかったのを

今度は いろんな人が同じ目線
違った角度で見れるものっていう意味で

その開発を
一緒に手伝ってもらってますね。

作業の前に 山口が向かったのは

ダムの建設工事で
亡くなった人たちの慰霊碑。

山口がロボットを背負い 降り始めた。

まずは ゆるりとまいります。

ロープがコンクリートに擦れて
切れないよう

プロテクターを巻く。

重さ14kgのロボット。

バランスを崩さないよう 慎重に降りる。

(風の音)

ロボットを設置するポイントに到達した。

点検するのは ダムを造る際にできた
コンクリートのつなぎ目部分。

3日かけて 詳細なデータをとる。

(風の音)

強風が吹き荒れる中での作業。

最初は順調に進んでいた。

だが…。

再び挑戦するも…。

高さ100mで まさかのトラブル。

本来は自動で
等間隔の撮影が可能なはずだが

機能しない。

急遽 手動に切り替えての点検となった。

作業2日目。 改めて挑むも…。

自動で等間隔に撮影する機能が働かない。

結局 この日も手動での作業となった。

3日目 ロボットを使っての点検最終日。

連日 不調続きだが
このロボットは将来的には

人の手を借りず 全自動で

ダムや橋の点検ができるようになることを
目指している。

それは 山口たちの仕事が
機械に置き換わり

なくなることを意味する。

だが それは山口にとっても
一つの希望だという。

27… 28… 29。

3日間の点検調査を終えた。

最後まで気を緩めず 慎重に降りる。

雨が降りしきる中 この日も
無事 地上に降り立つことができた。

♬~(主題歌)

今回の点検で
ダムの壁面に異常は見つからなかった。

山口たちは 今後も
ロボットの自動化を目指し

試験を重ねていく。

♬~

人々の安全を守るため。

今日も 人知れず点検を行う。

♬~

100%の安全性なんてものはないけれど

それをゼロにすべく ずっと
闘い続けられる人。

そういう人じゃないですかね。

変なことをしてるから こうやって
取材を受けてるけどさ

専門性が高いとか
特殊なことをしてるとか

そういうわけじゃなくて 本気でね
誰かのために何かをしてるんだったら

それは誰でも その道の
プロフェッショナルなんじゃないですか?

Source: https://dnptxt.com/feed

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