「疲労」6割程度、「悪寒」3割程度、「痛み」8割程度、3回目接種の副反応

ワクチン3回目接種への対応、東京23区の中でも、その対応がバラバラです。

例えば渋谷区は、モデルナの接種を希望すれば、2回目完了から6か月の間隔で打つことも可能だそうで、希望するワクチンの種類によって対応が分かれるそうです。また気になるワクチンの「副反応」について、厚労省の資料によると、ファイザーもモデルナも、「接種部の痛み」8割程度、「疲労」6割程度、「悪寒」3割程度と、どれも同程度だそうです。その他、ファイザーの接種者、モデルナの接種者で、3回目のワクチンの「希望」が異なるなど、気になるワクチン3回目について、専門家の意見を交えて解説しました。

■ワクチン3回目接種 自治体で違い

南波雅俊キャスター:
1月31日自衛隊の大規模接種会場で「3回目の接種」が始まりました。3回目接種までの間隔は自治体によって違いがあるようです。2回目接種から3回目接種までの間隔ですが、厚労省は「18歳から64歳」の人について、従来は原則8か月としていましたが、今年の3月からは7か月に短縮をします。また接種体制に余裕のある自治体に関してはこれを6か月まで短縮してもいいという通知を1月に出しています。

東京23区ではどうなっているかというと、まず板橋区などでは既に間隔を6か月にすると発表しています。また渋谷区は、モデルナとファイザーの供給量がほぼ同じなんですがファイザーの希望者の方が多いということで、まずはモデルナの希望者は2月1日から間隔を6か月に短縮して接種を始め、ファイザー希望者については国の指針と同じ3月から7か月の間隔でということになっています。
3回目の接種が既に始まっている自治体は複数ありまして、板橋区では1月31日から。千代田区、江戸川区、品川区などでも既に始まっています。

■3回目接種はファイザー?モデルナ?

3回目の接種ですが、ファイザーで打つのかモデルナで打つのか。長崎県の長与町が1281人にアンケート調査を行いました。

<2回ファイザー接種した人>
▼ファイザーを希望 62.1%
▼モデルナ希望 2.8%
▼ファイザーを希望も早くできるならモデルナ 11.9%
▼どちらでもよい 23.3%

<モデルナを2回接種した人>
モデルナ希望 24.1%
ファイザー希望 13.0%
ファイザー希望も早くできるならモデルナ 6.8%
どちらでもよい 56.2%

この結果について、長与町の担当者は「ファイザーを接種した人はモデルナの副反応を不安に思っているのではないか」としています。国内の研究報告ではモデルナの方が2回目接種した時に熱が出るという結果もあった中で、やはり「モデルナの副反応を不安に思っている。」「モデルナを接種した人は早く打てる方を選んでるのではないか」という分析をしています。

■ワクチン交互接種の効果は?

ワクチン3回目の接種後、中和抗体価が何倍になったか、同じワクチンを3回打った場合と「交互接種」をした場合で比べた、アメリカでの研究報告からのデータです。

<1・2回目ファイザー>
3回目ファイザー 20倍
3回目モデルナ 31.7倍

<1・2回目モデルナ>
3回目ファイザー 11.5倍
3回目モデルナ 10.2倍

ホラン千秋キャスター:
交互接種の効果については以前から言われているんですが、この効果と副反応を天秤にかけてもやはりモデルナ製の副反応がきついからファイザーがいいなという方が多いんでしょうか?

国際医療福祉大学 松本哲哉 主任教授:
少なくとも日本国内では、今まではファイザーのワクチンを接種された方の方が多いわけです。そうするとその人たちは、できれば同じワクチンを打ちたいという考えもあると思います。またモデルナのワクチンに対しての副反応をいろいろ伝え聞いて「やっぱりちょっと怖いんじゃないか」とか「副反応が強いんじゃない」ということで、モデルナをちょっと敬遠している人もいるかもしれません。
ただ効果についてはどちらかというとむしろモデルナの方が高いです。そういう意味では、副反応も少し強めに出るかもしれませんが、もうこれだけ感染が拡大している時期ですから、今大事なのはいつ打てるのかということになるかもしれないので、ファイザーがすぐ打てそうな人はそれでもいいかもしれませんけど、なかなか予約が取れない人は、モデルナの方が早く打てるなら、モデルナのワクチンを選んで早めに接種した方が感染を防ぐという意味では大事だと思います。

■3回目ワクチン接種の効果のタイムラグについて

井上貴博キャスター:
2回目のときによく言われていたのが、接種してから効果が得られるまで2週間ぐらいタイムラグがある、ということでしたが、3回目のときも同じように2週間なんでしょうか?

松本医師:
抗体の上がり方からするとやっぱり2週間ぐらいは必要だと思います。2回接種して半年ぐらい経っていると結構抗体値も下がっているんですね、ただ上がり方はしっかり上がりますので、そういう意味では絶対2週間たたないと感染防御効果がないというわけではありませんが、少なくとも一定期間は必要だと思います。

井上キャスター:
そうなると今のオミクロン株の波ももちろんですが、その先に向けて今打つというような心持ちですか?

松本医師:
そこがなかなか難しいですよね。例えば今後オミクロン株の流行がどれぐらい続くのか、もしそれが1か月ぐらい続くならば今のタイミングで備えるということは十分あると思いますけど、もしどんどん感染者数が減っていったときに、ようやく打てるとなったときに、もう遅いんじゃないって言われる方も出てくるかもしれませんので、今後のタイミングというのはやはり流行も踏まえてということになるかもしれません。

■3回目接種後の副反応は?

南波キャスター:
多くの方が気になっている副反応について、アメリカの研究報告です。

<3回目接種による副反応>
【ファイザー】
接種部位の痛み 83%
疲労 63.7%
悪寒 29.1%
38度以上の発熱 8.7%

【モデルナ】
接種部位の痛み 83.8%
疲労 58.7%
悪寒 35.3%
38度以上の発熱 6.6%

「接種部位の痛み」はほとんど変わりはありません。「疲労」に関しては、ファイザーの方が5ポイント高い数字になっています。「悪寒」はモデルナの方が6ポイントほど高い一方で気になったのがこの「38度以上の発熱」に関しては、いずれも10%以下ですし、むしろファイザーの方が高くなっています。2回接種を終えた段階での日本国内の報告では、モデルナの方が発熱の報告が多くあったんですが、このアメリカの研究報告ではファイザーの方がむしろ少し多くなっているというデータが出ています。(「厚労省資料」より)

ホランキャスター:
データで見ると数字上は数ポイントの違いなんですが、この数ポイントを私達はどのように受け取ればいいんでしょうか?

松本医師:
あまりこだわる必要は、正直言ってないと思います。むしろ2回目を打ったときにどれぐらい副反応が強かったか、それを思い出していただいて、例えば結構きつかったならば3回目を受ける次の日は仕事をしないようなスケジュールにしたり。あるいはあらかじめ解熱剤などを準備しておいたりということで、個人個人によってだいぶ差がありますのでこの数字にはあまりこだわらず、自分がどうだったかを思い出していただくのがいいと思います。
(31日18:45)

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