重い障がいをもった我が子と地域の中で普通に生きてゆく、5年にわたり記録したドキュメンタリーが前作『普通に生きる~自立をめざして~』。そしてその後8年、親も子も年齢を重ねてゆくなかで、どうしたら生まれ育った地域で普通に生き、死んでゆくことができるのか…を追った『普通に死ぬ~いのちの自立~』。
前作『普通に生きる~自立をめざして~』では、「どんなに重い障害を持っていても、本人もその家族も普通に生きてゆける社会をめざす」という理念のもと、重症心身障害児・者と呼ばれる子を持つ親たちの起ち上げた社会福祉法人が、静岡県富士市と富士宮市にふたつの通所施設(生活介護事業所)「でら~と」「らぽ~と」 をオープンさせ、法制度の改革の波に揉まれつつも『福祉の受け手から担い手となる』発想で行政に働きかけて自分たちのニーズに合った制度やサービスをつくりあげてゆく5年間を追った。
『普通に生きる』の続編となる本作『普通に死ぬ~いのちつなげて~』は、その後8年、グループホームの開所や、設立10年を迎えて次第に変わりゆく運営方針と、3つ目の生活介護事業所の開設という流れの中で、年齢を重ねてゆく本人とその家族の人生を追って撮影を続けた。途中、「医療的ケア」を必要とする人の、在宅生活の中心的ケアラーであった母親ふたりが病に倒れ、残された2人の子は、母亡き後の地域生活がとても困難になった。なぜ生まれ育った地域で生ききることができないのか。なぜこの人たちの生活や人生を社会は障害することになってしまうのか…。厳しい現実がそこにはあった。
今回は、重症心身障害児・者と呼ばれる方たちの中でも最も困難を有する人たちの記録が中心。そのきょうだいも登場する。そして映画は後半、支援をする側の人たちの気づきを物語の軸に、兵庫県・伊丹市、西宮市に希望を探して旅に出る。
そこには、伊丹市で「しぇあーど」を率いる李国本修慈さんと、西宮市で「青葉園」を率いる清水明彦さんらの重ねてきた地道な活動があった。軽快でしなやかで、しかしとてもしたたかに人生を賭けて、真正面から繰り広げられている「共に生き合う」取り組みがあった。
2020年10月17日より公開
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#普通に死ぬ#障害者#普通に生きる
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