ちょっとミステリアス、しかし、気になる話です。三島市の源兵衛川の流れにいま、異変が起きています。ここのところ水量が増え続けているんです。
三島市の市街地を流れる源兵衛川。透き通った水が約1.5キロに渡って流れるこの川には飛び石や遊歩道が設置され、市民の憩いの場となっています。まさに「水の都」と呼ばれる三島市のシンボル的な存在。しかし、今、その源兵衛川にある異変が起きています。
ツイッターに9月13日に投稿された2枚の写真。川のそばにあったはずの人が通れる道が水中に沈んでしまっています。9月24日、その現場に出向いてみると…。
<黒田菜月アナウンサー>「今日も源兵衛川はきれいですね。水も透き通っていて風も心地よくてとても癒されます。源兵衛川といえば、飛び石の上に乗って川の中を歩けるというのが楽しみの一つなんですが…増水により通行止めになっているんです」
いつもなら飛び石を渡って川の上を歩くように進むことができますが、今は、増水で飛び石が水の中に沈み、通行禁止の状態になっています。
<地元の中学生>「いつもは見えているものが沈んでいる」「違う川に見える」
この地域の自然に詳しい人たちも驚きを隠しません。
<グラウンドワーク三島 渡辺豊博さん>「いやすごい。ビックリこいてます。7月からぐいぐいと水が増えています」
一体、なぜここまで源兵衛川の水量は増えたのか。渡辺さんは2020年の「長雨」の影響を指摘します。
<グラウンドワーク三島 渡辺豊博さん>「三島と富士山は地下でつながっている。7月は雨が5倍以上降った。異常な雨が降ったのが原因かな」
源兵衛川は、上流にある楽寿園の小浜池を水源としています。その小浜池を訪ねてみると…。
<楽寿園 山川晃園長>「満水です。今年は59年ぶりの217センチという最高の記録を更新です」
7月上旬の小浜池の写真です。小浜池には富士山に降った雪や雨が湧き出しますが、近年は富士山の地下水の減少で1年の大半が干上がった状態です。しかし、長雨が続いた2020年は7月に入ってから水が湧き続け、7月下旬には水位が2メートル17センチに達して、59年ぶりに過去最高の水位を更新したのです。実は、こうした異常な湧き水が起きているのは三島市だけではありません。
<井端美彩子記者>「富士宮市淀師の住宅です。家の中から湧き水が出ていて、家の前が川のようになっています」
住宅の敷地内で湧水が噴き出しているのは、三島市と同じく富士山の地下水源と繋がる富士宮市の淀師地区です。別の住宅でも…。
<住民>「排水管のところから ふき出しています。9月11日に気づきました。そのときはちょろちょろ流れる程度でした。1週間ぐらいたったらどんどん水の量が多くなりました」
この住宅の湧き水は一向に引く気配がなく、市に土のうを置いてもらい、対応している状態です。富士宮の異常湧水、初めてではありません。
<岡部聡記者(2011年)>「こちらの住宅では手作りの橋が作られています。水が川のように流れています。建物の基礎から水が流れ出ています」
いまから9年前、淀師地区のあちこちで地下水が半年近く湧き続けたのです。市では湧きだした水を管を使って流すなどの対策を取っていますが、気は抜けません。
<富士宮市花と緑と水の課 鈴木広樹さん>「今後台風シーズンに突入するので、その影響が心配。地域のパトロールを続け湧水の把握に努めていきたい」
異常な湧き水は一体いつまで続くのでしょうか。
<グラウンドワーク三島 渡辺豊博さん>「これから冬に向けてぐいぐい水位が下がってくると思う。秋の台風の雨でまた水量が増えると(水位が下がるのは)年を越え春先になるかも」
(#オレンジ6 9月24日放送)
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