緊張が続くウクライナ情勢です。ロシアのプーチン大統領は欧米との協議を現段階では続ける考えを支持していますが、アメリカ国防総省はウクライナ国境沿いに展開するロシア軍の部隊が「依然増強を続けている」と警戒を強めています。
プーチン大統領は14日、NATO=北大西洋条約機構をこれ以上拡大させないというロシアの要求を拒否した欧米の回答に対する今後の対応に向けて、ラブロフ外相から報告を受けました。
ラブロフ氏は主要な要求は拒否されたものの合意に達する「チャンスはある」として「際限なく協議する必要はないが現段階では続けるべきだ」と提案。
プーチン氏もこれに応じ、欧米との対話継続を支持する考えを示しています。一方、アメリカ国防総省はウクライナとの国境沿いに展開しているロシア軍の部隊について「依然増強を続けている」と明らかにしました。
アメリカ 国防総省 カービー報道官
「この週末の間にもプーチン氏は、ウクライナ国境沿いやベラルーシにおける軍事能力を増強した」
国防総省のカービー報道官は14日、こう指摘した上で、ロシアは「すぐにでも動き出すことができる」と強調しています。
アメリカ 国務省 プライス報道官
「ロシア側のコメントを注視している。我々は緊張緩和に向けた具体的な証拠を何1つ見ていない」
また、アメリカ国務省のプライス報道官はロシア側が欧米との対話を継続する考えを示していることについて「緊張緩和に向けた証拠は見ていない」と指摘。ただ、「我々は対話や外交を通じて事態を解決したい」と訴えていて、ロシア側に事態の沈静化に向けて行動するよう促しました。
こうした中、国務省はウクライナの首都キエフにあるアメリカ大使館が閉鎖されポーランド国境近くのリビウに移転すると発表。「大使館にある書類やコンピューターが破棄されている」との一部報道に対しては、「機密文書や機器については細心の予防策を講じている」と否定していません。
ウクライナ ゼレンスキー大統領
「私たちは2月16日が侵攻の日だとの情報を得ています」
緊張が続くウクライナでは、ゼレンスキー大統領が14日、国民向けのビデオ演説で「ロシアによる侵攻は16日に行われるとの情報を得ている」と発言し、警戒感を示しました。情報源や根拠は明らかにされていません。
また、ゼレンスキー氏は「私たちはこの日を連帯の日にする」として、国外に避難した政府当局者や政治家、実業界のリーダーらに対し連帯を示すために24時間以内に帰国するよう呼びかけています。
国連の緊張緩和に向けた動きです。グテーレス事務総長は、ロシア、ウクライナの外相とそれぞれオンラインで会談しました。
グテーレス氏は「外交に代わる選択肢はない」などと強調。「軍事衝突が起きる臆測が広がり、深く懸念している」として、軍事衝突が起きた場合、「人的被害やヨーロッパと世界の安全保障の破壊は高すぎる代償だ」と警告し、一層の努力を求めました。
さらに、国連として「平和的な解決策を模索するために、あらゆる手段を尽くす」としています。
(15日11:17)
#ウクライナ情勢 #ロシア #アメリカ
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