世界各国で急拡大 オミクロン株めぐる最新情報

世界中で日を追うごとに拡大している新型コロナのオミクロン株への感染。市中感染による広がりも懸念される中、私たちはどう対応していけばいいのでしょうか。専門家とともに考えます。

■オミクロン株 世界に急拡大

井上貴博キャスター:
日本でも飲み薬に関する承認申請が12月3日にされました。武器が増える中で、変異ウイルスの特性を見極めていくという形です。感染力が強いと言われていますので、広がっているというふうに考えられます。3日の時点で「オミクロン株」が確認されているのが35の国と地域。感染力が強いのは間違いなさそうです。重要なのは、毒性、症状はどういったものなのか、各国のケースをまとめていきます。

■オミクロン株 ノルウェーでのケース

まずはノルウェーです。地元メディアによりますと11月26日、ノルウェーの首都・オスロ市内のレストランである企業のクリスマスパーティーが行われました。ここで50人以上の検査陽性が確認されました。この50人のうちの1人がオミクロン株と判明しています。南アフリカ・ケープタウンの支社からの帰国者もこのクリスマスパーティーに参加していたということで、そこでの接触なのではないか。参加者の多くはワクチン完了済みです。参加前に検査を受けるよう呼びかけていたということです。オスロ市当局によると「他の感染例もオミクロン株の可能性が高い」ということですから、ゲノム解析を進めると、もう少しオミクロン株が増えていくかもしれないということです。症状がどうなのか無症状者がどのくらいいるのかという点も、今後判明していくのかもしれません。

■アメリカで続々確認 氷山の一角か?

続いてはアメリカのケースですが、12月1日に初めて確認された方は11月22日に南アフリカから帰国した旅行者です。ワクチンは2回完了済み、症状は軽いということです。このあたりもやはりポイントになってくるんだろうと思います。他には、カリフォルニア州で2人、コロラド州で1人、ミネソタ州で1人、ニューヨーク州で5人、それぞれ確認されています。確認されたのはこの人数ですが、氷山の一角と考えればもっと広く感染があるだろうということを念頭に置くべきなのかもしれません。
そして、ミネソタ州在住の男性です。11月19日~21日に開催されたニューヨーク市のアニメイベントに参加していたことがわかっています。22日に発症しています。この方は発症して陽性が確認され、12月2日にオミクロン株と発表されています。ワクチン接種証明書を提示し、マスクの着用が呼びかけられていたこのアニメイベントですが、現地メディアによりますと、参加者は約5万人ということで、この辺りをどこまで追っていくべきなのか、追えるのか、というところなのかもしれません。州知事としてはあくまで検査を求めているというところです。

■オミクロン株 ハワイでも・・・

ハワイでも感染が確認されています。オアフ島在住の中等症の患者さんです。11月29日に「オミクロン株の可能性が高い」と判断され検査を行ったところ、12月2日に「オミクロン株」と判明しました。感染歴あり、そしてワクチンを接種していなかったようです。渡航歴はありません。市中感染によるものと見ています。ですのでこのあたりも、ワクチンを打たなかったことにより症状が少し重くなったのかどうなのか、こういったところも、様々な分析が今後行われていくんだろうと思います。

ホラン千秋キャスター:
新型コロナウイルスの特徴である「無症状」ということを考えますと、どれだけ水際対策をしてもすり抜けしまう。市中で感染が広がってしまうということはこれまでと同じく可能性としてはあるわけですよね。

国際医療福祉大学 感染症学講座主任教授 松本哲哉医師:
まず無症状はとにかく自分が感染していること自体が自覚できませんので、結局当然感染していないと思って普通に行動するわけですよね。そういう中でこれだけ感染力が強いとマスクをしていてもある程度場合によっては漏れてくるようなものを他の人に広げてしまう可能性もありますから。そういう意味で、ちょっとこれからの課題は、無症状の人をどうやって見つけるかということだと思います。

ホランキャスター:
海外ではこのオミクロン株はどのように受け取られてるというふうに思われますか?

アース製薬社外取締役 ハロルド・ジョージ・メイさん:
まずは情報が少ないので、広がりは早いんだけれども、体に与える影響は何なのかとか後遺症だとかね、そういうこともまだ話としてほとんど出ていないので。とにかく海外で皆さん同じことを言っているのは、とにかくできることから始めようと。それがワクチン接種だったりマスクだったり、手洗い・うがいとかそういう、もう本当に基本的な基本なんですけど、これが効くから基本なんですよね。だからこれをやらざるを得ないと。あとは水際対策をどのぐらいするかという話と、あとは先ほどからお話に出てるようにオミクロン株に対抗するような武器ですよね。ワクチンだったり、PCR検査だったりをいかに早く大量生産できるかが課題だと思います。

ホランキャスター:
わからないというところが本当に、まだまだ怖い部分なのかなというふうに思うんですが。今後オミクロン株が広がってくると、何が一番ご心配だなと医療現場の皆さんは思っていますか。

松本医師:
まずは本当にこれから先、このオミクロン株の感染力が強いということは、感染者がまず増えてしまうかもしれない。その後ちょっと残念ながらその臨床像だとかいろんなことがわからないので、どう対応すべきかというのが決めかねる部分がありますけど。これから早めに、とにかくいろんな情報が出てくると思います。それに従って、どの程度慎重に対応すべきなのかというのもわかると思いますので、それをある程度注視しながら、いずれにしてもこれから増える可能性があるというふうに考えながら準備を進めている段階だと思います。

■オミクロン株 東京都の対応

井上キャスター:
この変異株は感染力が強い一方で今のところ軽症者がほとんどということでこれがワクチンが効いているのか、ウイルスの毒性が弱いのかその辺りもまだわかっていません。
東京の対応として小池知事は12月3日の会見で「都としても十分な警戒が必要ですので総力を挙げて、先天先手で対策を講じていきたい」と述べました。その中で具体例としては、まず、「検査体制の拡充」です。
▼オミクロン株に対応したPCR検査の構築
▼民間の検査機関とも連携
ゲノム解析を積極的に進めていくことをあげています。
▼「相談窓口の設置」
オミクロン株について、発熱症状などに関する相談窓口を既に設置しました。

■オミクロン株対策に光明?

“武器”ということで、飲み薬の承認申請が3日に行われたということに付け加えまして、中和抗体薬「ソトロビマブ」について新たな発表がありました。ソトロビマブは軽症・中等症の患者のうち、重症化リスクの高い人に投与した場合、死亡などのリスクを減らす効果が確認されていて、日本でも特例承認されています。開発したイギリスの大手製薬会社グラクソ・スミスクラインの説明によると、ソトロビマブが治験前の分析でオミクロン株にも効果があったということです。今後さらに試験が行われる予定なんだそうです。

ホランキャスター:
もちろんわからない部分はあるとは思うんですけれども、何かしら戦える武器はあるというふうに考えていいんでしょうか?

松本哲哉医師:
そうです、そうです。オミクロン株は確かに今までとだいぶ違う株であるということは間違いないかもしれません。だけど、やはりそれを例えば治療にしろ、ワクチンの効果にしてもまだ全然駄目だというふうに言っているわけではなくて、使えるものは使えるということなので、あくまでも冷静に。ただこれから広がらないようにすべきなのは、確かにその通りだと思います。(03日17:18)

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