石井岳龍『爆裂都市 BURST CITY』1982年

1980年に自主制作映画『狂い咲きサンダーロード』を発表し、各方面から脚光を浴びていた石井聰亙監督による近未来を舞台としたSFアクション映画。

荒廃した未来都市において、過激なパフォーマンスを繰り広げるロックバンド、それに熱狂する若者たちを取り締まろうとする警察、また原子力発電所を造るため、土地開発計画を立てる暴力団と強制労働を強いられる下層民たちとの抗争を描いている。当時音楽シーンを賑わせていたパンク・ロック、ニューウェーブのミュージシャンが多数出演している事でも知られる。そのうちの一人で、この映画が初主演となった陣内孝則はその後俳優として知られてゆくようになる。

原子力発電所建設をめぐる暴力団の思惑、最貧民層の葛藤と廃頽、そして快楽と暴力に満ちた貧民たちの刹那的だがパワフルな日常、地元のライブハウス「20000V」で人気のロックバンド・バトル・ロッカーズと新たに街に現れた マッド・スターリン、そして彼らのファンの間で熾烈な抗争が繰り広げられる夜の街。そこに呻き喚くだけで言葉を発しない兄弟がサイドカーに乗って現れる。兄弟は街に受け入れられ馴染んでいくが、街は原子力発電所建設を巡って地上げや過酷な労働搾取を行う暴力団によって破壊され、不満が爆発した貧民たちによって暴動と化し、戦闘警察の介入によって街は破壊されそして貧民たちは敗北する。それでも燃え盛る街の中、コマンド佐々木は不屈な雄たけびを上げ、暴れまくった兄弟はバイクで、また何処かへ疾走していく。

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