高島)
ここからは、日本で「第5波」が収束した今だからこそ次に来るといわれる第6波をどう防げばいいのか考えていきたいと思います。ここからは、感染症がご専門の水野泰孝さんにお話を伺います。水野さんよろしくお願いいたします。
水野医師)
よろしくお願いします。
●6日(土)の全国の感染者は241人 東京29人
高島)
本当に感染者が激減しているという印象ですけれども水野さんはどうご覧になっていますか?
水野医師)
私が診療している実感として申し上げますけれども、7月から8月の上旬ぐらいまでは大人の方もお子さんも検査をすれば「陽性」というような状況だったんですけれども、8月の下旬ぐらいから検査をしてもほとんどの方は検査陽性にならなくなってきたような状況です。実際、患者さんのお話を伺うと多くの方がワクチン接種は済んでいる、あるいは、ワクチンをしてない方でも非常に感染対策をしっかりやっているという印象を持っています。ただ、ワクチンをしていないお子さんの間でも感染が広がりにくくなってる。検査が陽性にならなくなってきている。
それから、行動緩和されてもさらに減り続けての状況は、「人側」の要因ももちろんなんですけれども、病原体、「ウイルス側」の要因も何かあるんじゃないかなというふうに感じております。
高島)
ウイルス自体に何かこう変化があるということですね。
水野医師)
そうですね。
●「第6波」は来る?
高島)
名古屋工業大学の平田教授が気になる「第6波」について、今後の東京の感染動向をシミュレーションしました。感染対策が不十分な場合、1月9日に第6波のピークを迎え、感染者が660人に。感染対策が十分な場合も238人と予想が出ています。水野さん、「第6波」が来るとすればどういった理由が考えられますか。
水野医師)
これはあくまでも過程ということでお話します。理由としては幾つかあると思いますが(ワクチンの)抗体価が下がってきて、いわゆる抗体の減衰によるブレークスルー感染が起こると言われています。こういったことで感染者数が増える可能性があります。それから海外で懸念されるような、例えば感染が広がりやすい変異株あるいは、ワクチンの免疫をすり抜けるような変異株が流入してくる可能性が考えられるかと思います。
高島)
この「第6波」水野さんは来るとお考えでしょうか。
水野医師)
この辺は非常に難しいところなんですけれども、検査が陽性になる方が増える可能性はあるかと思います。ただそれが、懸念される波まで広がるかどうか、すなわち「第5波」と同じような波が来るかというのは私は可能性は低いと考えています。その理由としては多くの人がワクチン接種を済んでいるわけです。免疫がある環境であれば、周りに壁が出来ている状況ですのでその中に、例えば感染源が一人いても、壁でブロックされるような状態。もう少し分かりやすく言いますと、例えば森の生い茂った木が湿ってるような状態をワクチンを接種している人と考えた場合、そこに感染源の形すなわち火種が入ってきても大きな山火事にはならない、そのような印象だと思います。
●「緊急事態宣言」の目安は?
高島)
では、今後の感染状況はどう判断されるのでしょうか?
板倉)
政府の分科会は、緊急事態宣言の適用の目安を大幅に見直す考えです。これまでは、新規感染者数を重視してきました。我々も毎日のように伝えてきましたけれども、今後は、病床使用率であったり重症患者数など医療のひっ迫度合いを重視するということです。このひっ迫度合いを「レベル0から4」の5段階に分けて、この「3」に相当する場合は緊急事態宣言など強い措置を取るべきとしています。水野さん、今後は新規感染者数を重視しないという方針をどうお考えでしょうか?
水野医師)
この緊急事態宣言の発令というのは、医療提供体制を維持するという意味合いですので、感染者が減ってくる、あるいは重症者と死亡者の数は減っていることは明らかになってますので、医療提供体制を重視することは非常に重要なことだと思いますね。それと同時に、これからは軽症者が増えてくる可能性がありますので、その軽症者への医療提供体制、これをしっかりと体制づくりが必要かと思います。
高島)
政府は、飲み薬についても年内に実用化を目指すということですから、水野さん、この薬でいい方向に向かいそうですね。ここまで水野さんにお話しを伺いました。ありがとうございました。
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