“点滴殺人”元看護師に無期懲役 遺族から怒りの声(2021年11月10日)

 横浜市の旧大口病院で、患者3人を殺害した罪などに問われた元看護師の女に、無期懲役の判決が言い渡されました。遺族からは「納得できない」などと怒りの声が上がっています。

■“点滴殺人”死刑回避で「無期懲役」

 2016年、点滴に消毒液を混ぜて入院患者3人を殺害した罪などに問われている、横浜市の旧大口病院の元看護師・久保木愛弓被告です。

 この旧大口病院では、2016年7月以降に48人もの患者が相次いで亡くなるという“戦後最大の大量不審死”が発生しました。

 久保木被告:「身勝手な理由で、大切な命を奪ってしまい、本当に申し訳ありません。死んで償いたいと思います」

 今回の裁判の争点となったのは、久保木被告の責任能力です。

 検察側は、完全責任能力があったとして死刑を求刑。弁護側は、心神耗弱状態だったとして無期懲役を主張していました。

 裁判長:「被告人は自分が対応しなくてもよい時間帯に、被害者を死亡させるという目的に沿って、合理的に犯行に及んでおり、完全責任能力が認められる」

 しかし、その判決は・・・。

 裁判長:「主文、被告人を無期懲役に処する」

 判決では、責任能力はあるとし、身勝手極まりない動機とする一方、「問題解決の視野が狭い『自閉スペクトラム症』の特性を有する」など、酌むべき事情があると指摘しました。さらには・・・。

 裁判長:「反省して罪を償いたいと述べており、更生の可能性が認められ、死刑を選択するのは、ちゅうちょを感じざるを得ない」

 「更生の可能性がある」として、死刑を回避。無期懲役を言い渡したのです。

 裁判長:「それぞれの犯行について、慎重に検討しました。苦しい評議でしたが、われわれ全員で出した結論が無期懲役です。生涯をかけて償ってほしい」

■遺族「納得いかない」「控訴して」

 反省している点を重視した判決に、被害者の遺族は・・・。

 西川惣蔵さん(当時88)の長女:「無期懲役の選択がされたという判断には、納得がいきません」

 八巻信雄さん(当時88)の長男:「あまりに身勝手な動機で、罪のない人を殺しておきながら、死刑にならないのはおかしい。検察には控訴してほしい」

 判決について横浜地方検察庁は、「上級庁とも協議のうえ、適切に対応したい」としています。

(「グッド!モーニング」2021年11月10日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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