太陽熱発電

太陽熱発電, by Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki?curid=1159473 / CC BY SA 3.0

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太陽熱発電

太陽熱発電(たいようねつはつでん)とは、太陽光を太陽炉で集光して汽力発電やスターリングエンジンの熱源として利用する発電方法である。太陽光発電よりも導入費用が安いほか蓄熱により24時間の発電が可能である。燃料を用いないため燃料費がかからないほか二酸化炭素を排出しない。

太陽電池で発電を行う太陽光発電と異なり、太陽熱発電は太陽光をレンズや反射鏡を用いた太陽炉で集光することで汽力発電の熱源として利用する発電方法である。太陽光がエネルギー源のため今後数十億年に渡り資源の枯渇のおそれがない再生可能エネルギー利用の発電方法である。燃料を用いないため二酸化炭素などの温室効果ガスを排出せず、燃料費が不要であるため運転にかかる費用を低く抑えられ、有毒ガスの発生や燃料費高騰によるコスト上昇のリスクもない。

高コストな太陽電池を使う太陽光発電に比べて、太陽熱発電で使用する反射鏡のほうが製造・保守の面で有利、エネルギー密度が低い自然エネルギーを利用するのにも関わらずエネルギーの集中が可能、蓄熱により発電量の変動を抑えることが可能で夜間でも稼働できる、発電以外にも熱自体を利用することが可能、火力発電との共用が可能、大型・高電圧の交流発電機が使用可能なので系統電力の送電網に乗せることにも都合が良い、など種々の利点がある。太陽エネルギーを利用するにもかかわらず、再生可能エネルギー特有の欠点をある程度克服することが可能である。

夜間でも稼働できる反面、昼間の曇天・雨天には効率が悪くなる。さらに、夏至・冬至の昼間の差が大きい高緯度地域には向かない。そのため、低緯度の乾燥地域での建設が有効である。また、太陽光発電と異なりスケールメリットが効くため、施設を大規模にするのが好ましい。

太陽熱発電に対する注目は、砂漠を持ち広大な面積を有する国で高い。陸地が限られ利用上の競合が多い日本ではあまり適さない発電方式とされてきた。その一方、近年では太陽光発電によるメガワット級のソーラー発電所の導入推進が見込まれる中で、規模的には類似しておりかつ発電効率・発電コストの点で同等以上の可能性を持つ太陽熱発電の事業性について、改めてフィジビリティスタディを実施し日本国内における導入可能性を再評価する動きも現れている。

日本ではオイルショックによるエネルギー問題を契機に、通商産業省が国家プロジェクトサンシャイン計画を1974年に策定し、その一環として1981年に香川県三豊郡仁尾町(現・三豊市)に「タワー集光式」と「曲面集光式」の2つの方式の太陽熱発電システムの実証実験施設を建設した。それぞれの方式で1MW(メガワット)を発電し、世界で初めての太陽光熱発電の実証実験に成功したが、安定した出力を得られず実用化には困難だった為、1985年に計画は中止された。この太陽熱発電の実証実験が行われて以来、日本では大規模太陽熱発電の実験は実施されていなかったが、2010年には東京工業大学玉浦裕教授の研究チームが山梨県に実験設備を建設する計画を発表した。国内では30年ぶりである。

集光型太陽熱発電とは、レンズや鏡や反射板を用いて太陽光を集光し、その熱で水を蒸発させることで蒸気タービンを回転させ発電する発電方式である。発電の原理は古典的な火力発電や原子力発電と同じものであるが、熱の発生に燃料の燃焼ではなく太陽熱を利用する。

太陽光を得られない夜間には溶解塩等を用いた蓄熱による熱を利用するほかに、燃料を燃焼させて発電するハイブリッド方式とすることも可能である。

()とは、平面鏡を用いて、中央部に設置されたタワーにある集熱器に太陽光を集中させることで集光し、その熱で発電する発電方式である。中央タワー方式、集中方式などとも呼ばれる。数メートル四方の鏡、数百枚から数千枚を用いて集められた太陽光を一箇所に集中させることが出来るため、1000℃程度まで加熱することも可能である。

一方で、正確に太陽光を集中させるためには、太陽の動きに合わせて鏡を正確に動かさなければならない。また鏡とタワー上部の集光器の間に光をさえぎるものがあってはならないため、より多くの光を集めるにはタワーを高くしたり、鏡の設置場所を高い位置にすることが必要となり、それにともない設備費も高くなる。

()と呼ばれる、平面鏡、太陽の動きに追従して鏡の向きを調整する機構、それらを支える枠とで構成される、光を反射する装置と、タワー上部に設置された集熱器、タワー下部の蒸気タービン、発電機、復水器などで構成される。各ヘリオスタット…

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