「激動」総裁選前に解散総選挙案 後藤謙次氏に聞く(2021年8月31日)

菅総理は30日、二階幹事長との会談で「自民党役員の人事を刷新したい」と切り出し、二階幹事長は「結構です。思い切ってやったらいい」と、幹事長交代受け入れる考えを示したといいます。

総裁選が近付くなか、自民党内では「菅総理では衆議院選挙を戦えない」との声が高まり続けていました。

そうしたなかで、ここ数日「局面を打開するには人事しかない」と複数の議員が、菅総理に進言していました。

自民党重鎮:「起死回生を考えたら人事しかないと。そういう声が党内的にも強いから」

二階派若手議員:「菅さんは人事刷新のタイミングをずっと見計らっていたと思う。自分のやりたかった改革を、自分の手でやっていくぞということ」

岸田前政調会長は、総裁選への出馬会見で、こう訴えていました。

岸田前政調会長:「総裁を除く党役員につきましては、1期1年、連続3期までとすることで、権力の集中と惰性を防いでいきたい」

5年にわたって幹事長のポストに就く二階氏を暗に批判したと捉えられていて、菅総理による今回の人事刷新は、総裁選の争点をつぶす狙いもあるとみられます。

ジャーナリストの後藤謙次さんは、30日から31日にかけ、こうした動きがあったといいます。

後藤謙次さん:「30日の段階から大きく激動して、相当変わったと思う。実は裏側に『総裁選の先送り』という思惑が、菅さんを中心に首相官邸であった」

30日の段階では、総裁選後、解散をせずに10月5日公示、17日投開票の『任期満了選挙案』が浮上していました。

後藤謙次さん:「仮に総裁選挙で、菅さんが9月29日に負けてしまって、10月5日の公示を迎えると、総裁選に負けた総理大臣が選挙をやるということになってしまう。その矛盾が残ってしまうので、総裁選は(衆議院)選挙の後にやらざるを得なくなった。(Q.なぜ総裁選を後に送りたがっている?)菅総理自身が、勝利勝敗に、全く見通しが立たないということ。あの二階派の中でも異論が出たり、安倍さんの所属する細田派や、麻生派の中でも意見集約ができない」

菅総理は、衆院選を見据え、来週にも党役員人事と内閣改造を行う考えだといいます。

さらに、勝利が見通せないなかで、総裁選を先送りする手段として、再来週にも解散するのではないかと指摘します。

後藤謙次さん:「菅総理は30日の交代を告げたトップ会談でも『二階さんがいるので、今日の自分があるんだ』と頭を下げたと言われている。二階さんを無視した幹事長というのは、なかなか起用しにくい。女性でいうなら、野田聖子さん。男性議員でいえば、文部科学大臣の萩生田光一さん。小泉進次郎さんの名前を挙げる人もいる。ただ、小泉さんはまだ若いし、党全体をまとめあげる能力・腕力・エネルギーがあるかどうかは疑問符が付くから、官房長官のような職に就く可能性はあると思うが、幹事長となるとなかなか難しい」

一方、野党側は、憲法の規定にもとづき、来月上旬に臨時国会を開くよう求めていましたが、政府・与党は拒否しました。

後藤さんは、臨時国会を召集するとすれば解散のためで、ごく短期間だとみています。

後藤謙次さん:「今、これだけコロナの問題を抱えて、アフガニスタンの多くの人が置き去りにされてしまった。こういう問題について、国会できちっと議論をする場面なんですが、議論は菅総理があんまりしたくないと。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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