新型コロナウイルスをめぐっては、アメリカ軍の原子力空母でも集団感染が起きている。

中国の海洋進出をにらむアメリカの戦力の一角が、ままならぬ状況に陥り、安全保障のバランスが揺らぐことが懸念されている。

太平洋上に展開する原子力空母「セオドア・ルーズベルト」。

その乗組員4,800人のうち、これまでに137人が新型コロナウイルスに感染。

空母は、グアムのアメリカ軍基地に向かい、乗組員の半数以上にあたる2,700人を順次下船させ、空母としての活動が事実上ストップする懸念が高まっている。

この空母は、南シナ海で訓練を行っていたが、3月5日にベトナム中部のダナンに入港。

なぜアメリカ軍は、ベトナムに空母を派遣していたのか。

それは、ダナンからわずか280kmほどの場所に位置する、中国・海南島に鍵がある。

フジテレビ・能勢伸之解説委員「海洋進出を着々と進めようとしている中国だが、海南島の衛星画像を見ると、潜水艦や軍艦の基地が造られ、中国軍の軍事拠点となっている」

中国軍は、南シナ海の海中から、直接アメリカ本土が攻撃可能なSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)を開発。

フジテレビ・能勢伸之解説委員「南シナ海に潜ったミサイル潜水艦から発射して、カリフォルニアに届くかもしれない」

こうした、中国の脅威ににらみをきかせるため、西太平洋で活動していたのが、セオドア・ルーズベルトだった。

フジテレビ・能勢伸之解説委員「(米軍が空母を)同時に動かせるのは、せいぜい3~4隻といわれている。その1隻、しかも打撃群の中心として動いていた1隻が止まってしまうということは、アメリカ海軍としての戦略単位が1つ、まるで使えなくなることになりかねない。安全保障上のバランスに相当大きな影響が出ても不思議でない」

(2020/04/05)

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