西山太吉 元毎日新聞記者

Takichi Nishiyama, the former reporter of Mainichi Shimbun

元毎日新聞記者の西山太吉氏が会見した。沖縄密約があったとの客観的な証拠が出てきても、自民党政権は密約はないとの立場を取り続けている。日本は歴史的な事実に基づいて検証ができる国ではない、という。特定秘密保護法案の対抗策としては、情報公開法を充実し、外交交渉の結果や一致点を国民に示し、政府を縛ることではないか、とも。

司会 瀬口義晴 日本記者クラブ企画委員
日本記者クラブのページ
http://www.jnpc.or.jp/activities/news/report/2013/11/r00026512/

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記者による会見リポート(日本記者クラブ会報2013年12月号に掲載)

実体験から秘密保護法への懸念示す

「私の『機密漏えい』とされるものは、そもそも機密じゃない」と言う発言が印象に残った。沖縄返還に伴う日米間の密約情報を入手して逮捕され、有罪判決が確定した元毎日新聞記者の西山さん。返還協定における日本政府の虚偽を実例を挙げて説明した。

国会承認された対米支払いの総額は真実ではなく、日本側が肩代わりした400万ドルの出所も協定の表記とは違う。協定全体が政府側の偽証であり、虚偽表示だった。「仮にその情報が法律に反するのであれば、それは機密ではなくて、行政の違法行為だ」と主張した。

米公文書や外務省の元交渉担当の証言によって明らかになったように、日本政府は法に反した偽証をし、隠し続けている。しかも、いまだに沖縄密約を認めていない。特定秘密保護法案の議論の前に、いまでも秘密国家がまかり通っている日本の現実を直視すべきだと訴えた。

日本政府が国家機密というものの多くは日米安保に関わるものであろう。その中枢は沖縄の米軍基地だ。しかし、いまでも県民生活に直結する、基地と軍事活動の実態を知ろうとしても大きな壁が立ちはだかる。法が成立すれば、基地はさらにブラックボックスと化すだろう。その危機感を強くした会見だった。

琉球新報東京報道部長
島 洋子

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