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湿潤治療(傷を消毒しない,乾燥させない)
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創傷被覆材は「傷を覆う」という意味以上に,「傷を速く治す」という積極的な意味を持っているのである。それはいわば、攻撃型の治療材料。
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◆創面を覆うものは浸出液のみでよい
http://www.wound-treatment.jp/next/wound274.htm
『新しい創傷治療』HPより
http://www.wound-treatment.jp/
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【引用開始】
・・・略・・・
「創面は医療材料で覆われていなければいけないはずだ」という考えの呪縛はかなり強烈である。事実私も,この呪縛から完全に逃れたのはここ数年だ。それまでは被覆材を創面に直接接触させるためにいろいろな工夫をしてきたからだ。しかし,「創面を覆うものは浸出液のみでよい。医療材料が創面に触れている必要性はない」ことに気がつくと,いろいろな発想が生まれるようになったし,治療材料や治療方法に拘泥することがなくなってきた。
そしてこのようなことに気づくと,創傷被覆材を創面に貼付していても,実は被覆材は創面に接していないことがわかってくる。この場合,創面を覆っているのは浸出液であり,被覆材は創面に直接触れているわけではない。もしも直接触れていたら,それは被覆材が浸出液を完全に吸収していることを意味し,この場合,創面は乾燥していることになり,創治癒は望めないことになる。
・・・略・・・
【引用終了】
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◆新たな発想 -湿潤環境での創傷治癒-
http://www.wound-treatment.jp/wound019.htm
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【引用開始】
・・・略・・・
「湿潤環境(つまり,傷を乾燥させない,ガーゼを当てない)治療」はどのような過程から生まれたか
・・・略・・・
もっとも速い時期の報告は,1958年のOdlandによる「熱傷は水疱を破らずに,そのままにしておいた方が速く治癒する」というものだった。それまでは「熱傷の水疱は早く取り除き,乾燥させないと治らない」と信じられていたのだから,当時の常識を真っ向から覆す報告だった。
次いで1962年,Winterが豚の皮膚欠損創に対し,ポリエチレンフィルムで覆った場合と,乾燥させて痂皮を作らせた場合を比較し,前者が後者より遥かに速く治ることを報告。その後,人間でも同じ結果が報告された。ここで「傷は乾かさず,湿潤環境で治癒する」ことが確立された。
このあたりから,傷が治るとはどういう現象なのか,傷ついた組織はどのように修復されるのか,各種の細胞はどのように連携しあっているのか・・・などについての基礎的報告が相次ぐことになる。
1970年代初め,Roveeが,湿潤環境で創周囲の皮膚から上皮細胞が移動することで上皮が再生することを証明。
その後,各種の細胞の役割,各種のサイトカイン,Growth Factorの働きが明らかにされ,基礎的研究からも「湿潤環境を保つために何かで創を閉鎖する」治療法の正しさが証明された。
・・・略・・・
【引用終了】
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『さらば消毒とガーゼ 「うるおい治療」が傷を治す』(春秋社) v:shapes=”_x0000_i1025″>のカラー口絵のページ
http://www.wound-treatment.jp/title_heisa.htm
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【引用開始】
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腕のヤケドの赤ちゃんです。・・・なんと,2週間足らずで治っちゃいます。
【引用者注:上記リンクの写真を、是非ごらんください。】
・・・略・・・
傷を消毒すると飛び上がるほど痛いと思いませんか? 実際に消毒してみるとわかりますが,本当に痛いです。あなたの傷も消毒してみましょうか? 嫌ですよね。
なぜ痛いのかというと,消毒すると傷が深くなるから痛いのです。
・・・略・・・
【引用終了】
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◆(発熱などの)症状の改善は、病気の治癒ではない。【コメント;川崎泰彦】
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(現代医学のほとんどは、)中から治ろうとしているのを手助けするよりも、外から何かを抑え付けるという方法。解熱剤を使って熱を抑え込んでしまうとウイルスや細菌の攻撃力は増してしまう。明らかに人体の治癒力を妨げる行為。
(発熱は)身体が発しているメッセージでもあるので、それに耳を傾け充分に休息しつつ熱が治まってくるのを待つ、というのが一番の方法。
池尻クリニック院長 高野弘之
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◆池尻クリニック
http://ikejiriclinic.jp/message.html
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【引用開始】
当院の方針
【自己治癒力を生かす】
全ての人には「自己治癒力」が備わっています。程度の差こそあれ誰もが持つ能力であり、人間に限らず全ての生物が持つ力だと考えられます。ただの風邪なら何もしなくても治ってしまいますが、早く治したいなら「自己治癒力を高める方法」を選ぶ必要があります。ところが現代医学では、この本来誰もが持っている力を生かすという視点がほとんどありません。中から治ろうとしているのを手助けするよりも、外から何かを抑え付けるという方法に偏り過ぎなのです。熱が高くてあまりにつらい時には解熱剤も必要でしょうし、重症感染症の場合は抗生剤が命を救います。しかし、それらがむやみに濫用されているのが大きな問題だと感じてきました。検査にせよ薬にせよ本当に必要な場合に必要な分だけを-当院の基本方針です。その上で、自らの治癒力を生かす方法を考えましょう。
【キズはどうやって治るのか】
当院は外科系を標榜してはいませんが、縫ったりするほどのキズでなければ外傷にも対応します。切り傷・擦り傷・ヤケドなどで受診した診療所や病院がいまだに消毒するような施設だったら、こちらへ逃げてきてください。つい最近までは「ケガしたら消毒してガーゼで覆う」というのが当たり前の治療法でした。しかし、この数年でその「常識」はキズの治りを悪くするだけの有害な行為だ、ということが知れ渡ってきています。擦り傷などを作ってしまった場合は、その部分から滲出液が出てきてジクジクしますが、その汁こそがキズを治すための成分であり自己治癒力の賜物です。消毒薬を使わなくてもキズは化膿しませんし、消毒薬はせっかくの「治るための成分」に多大な損害を与えてしまうだけです。その上、新たに出てくる治癒の味方をガーゼで吸い取っていたのです。そんな方法でも普通の傷ならいずれは奇麗に治ってしまうことをほとんどの人は経験上知っています。妨害行為をされても挫けずに治すだけの偉大な治癒力が人に備わっている証拠です。
「人が自分で自身を治す力」に疑問を持つ方は、怪我をした時に『水道水で洗って適切な創傷被覆材(傷から出る汁を生かすことのできる絆創膏)を当てておいた』傷の治り方を見てみるのが一番いいと思います。治りの良さにびっくりする事うけあいです。創傷被覆材というのは基本的には滲出液を生かすだけですから、自然に治ろうとする力を引き出してやるのが最善であることの理解に繋がると思います。傷の治癒に限らず、人間の治癒反応というのは多くの病気の際に自然かつ必然的に起こるものです。
【症状の多くは治るための反応なのです】
風邪などで熱が出てもやたらと下げない方が良い、というのはお聞きになったことがあるでしょう。それでも熱が出たら不安になり早く何とかしないと、という気分になってしまうものです。発熱は病気のひとつの症状と解釈することもできますが、感染時に熱が出る場合、その変化は“治癒を促すための反応”です。熱を高くする事で感染に対する抵抗をしているわけで、解熱剤を使って熱を抑え込んでしまうとウイルスや細菌の攻撃力は増してしまいます。「解熱剤の使用」で体温を低くしてしまうのは、「消毒とガーゼ」で傷から分泌される成分を痛めつけ吸い取ってしまうのと同様、明らかに人体の治癒力を妨げる行為なのです。
【だまらせるのではなく耳を傾ける】
それでも、熱があるのに放っておいたらキツくてしょうがないではないか、と思われますか?確かに治癒の一つの局面である(発熱をはじめとする)反応は時に激しく、不快なものです。解熱剤を希望される場合には「体温にとらわれずに、熱のせいでひどく具合が悪かったり眠れなかったりする場合は解熱剤を使ってください」と説明していますが、本当は、発熱による変化は身体が発しているメッセージでもあるので、それに耳を傾け充分に休息しつつ熱が治まってくるのを待つ、というのが一番の方法です。症状をだまらせるその場しのぎの短絡的な方法ではなく、それを生かして本当の健康に導けるような対処の仕方を提案します。
【引用終了】
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