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SLAPP訴訟(恫喝訴訟)=裁判自体で個人を疲弊させ、反対運動の芽を摘み取ることが目的

金銭的、経済的、肉体的、精神的負担といった裁判コストを被告に負わせ苦痛を与え、公的発言を妨害。

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◆沖縄・高江、山口・祝島/「SLAPP訴訟」を伝えない地上波 

Daily JCJ

http://jcj-daily.seesaa.net/article/188335123.html

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国が「国策に反対する国民」を個人名で裁判にかける禁じ手。

二つのSLAPP裁判の現場を、国民はネットで知っている。
大事なことに限って、地上波の報道は伝えない。

みかみ・ちえ/琉球朝日放送

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◆「小さなアリは巨象に挑む」より

株式会社 七つ森書館

http://pen.co.jp/index.php?id=656

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 この数十年で、どれだけの巨大企業が膨大な利潤を奪っていったことでしょう。どれだけ多くの貧困層が生まれていったことでしょう。このような社会の矛盾を監視していくのがジャーナリストの眼なのです。(株)七つ森書館・代表取締役 中里英章

◆David Takes on Goliath in Japan

How vast are the profits that Goliath corporations have snatched up over the past several decades? How many people have fallen into poverty meanwhile? It is journalists who take on the role of investigating these injustices in our society.

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◆ スラップ SLAPP 

〝Strategic Lawsuit Against Public Participation〟

(市民の関与を排除するための訴訟戦術)の省略形

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◆「SLAPP訴訟」という恫喝、現場からの報告

時々お散歩日記 37

鈴木 耕

2011/3/2

http://www.magazine9.jp/osanpo/110302/

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【引用開始】

・・・略・・・

 「SLAPP訴訟」とは、Strategic Lawsuit Against Public Participation の略。日本語では「恫喝訴訟」と恐ろしげに訳されることもある。
 しかし、この訳語は的を射ている。国家や行政、大企業など権力と財力を背景にした団体が原告となり、彼らの施策に反対する勢力を被告として恫喝的に訴える形が多いためである。日本では、サラ金問題で「武富士」が被害者や弁護士を逆提訴した件が有名だ。
 裁判によって被告にされると、訴えられた側は訴訟費用や時間的拘束など、個人ではふつう背負いきれないほどの、大きな負担を強いられることになる。だから、たとえ企業や国側が敗訴したとしても、反対する個人への「いやがらせ」は裁判それ自体で達成されることになる。つまり、裁判結果そのものより、裁判自体で個人を疲弊させ、反対運動の芽を摘み取ることが目的なのだ。
 このようなことが、ほとんど全国ニュースにならない一地方の出来事として、いま進行中だ。全国ニュースとしては流れないけれど、ネットを通じて、高江や上関の状況は、日々生中継されている。

 付け加えておく。
 現在、全国ネット地上波テレビのほとんどの「ニュース番組」のスポンサーに、「電力会社」「電気事業連合会=電事連」が名を連ねている。当然のことながら、これは原発批判を行わせないためだ。
 テレビの最弱点「スポンサー様のご意向」を、ニュース番組ディレクターたちは、もはや突破する意欲を持っていない。【311原発事故前の指摘】

 今回は、いつものお気楽な「お散歩写真」を掲載するような気分ではない。次に上げる、3つのサイトを見てほしい。それで、今回のこのコラムの意図を汲みとってもらいたい…。

▼高江 http://takae.ti-da.net/
▼上関 http://www.ustream.tv/channel/満月tv
▼QAB報道部 http://www.qab.co.jp/news/

【引用終了】

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◆SLAPPとは

スラップ訴訟情報センター

http://slapp.jp/slapp.html

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【引用開始】

「公に意見を表明したり、請願・陳情や提訴を起こしたり、政府・自治体の対応を求めて動いたりした人々を黙らせ、威圧し、 苦痛を与えることを目的として起こされる 報復的な民事訴訟のこと」

Strategic Lawsuit Against Public Participation(直訳:市民の関与を排除するための訴訟戦術)は SLAPPという略語で有名である。
SLAPPは様々な訴因、例えば名誉毀損、誹謗中傷、業務妨害、共謀などで提訴される。
もともとこの言葉は、 1984年にこうした形態の訴訟の研究を始めた、デンバー大学のジョージ・W・プリング教授と
ペネロペ・キャナン教授が作り出した造語。当初、両教授はSLAPPの条件として次の四つの規準を挙げていた。
(原典:’SLAPPs: Getting Sued for Speaking Out ‘ Pring and Canan. Temple Univeristy Press。

(Ⅰ)政府・自治体などが権力を発動するよう働きかけること=(注)裁判所への提訴や捜査機関への告発など
(Ⅱ)そうした働きかけが民事訴訟の形を取ること
(Ⅲ)政府・自治体・企業ではない個人や団体を被告として提訴されること
(Ⅳ)公共の利益や社会的意義にかかわる重要な問題を争点としていること

典型的なSLAPPでは「ターゲット」(プリング・キャナン教授の用語)にされるのは個人または市民団体、 ジャーナリストであり、彼らが訴訟の「被告」にされる。
これらの個人や市民団体は、ただ単に憲法で保証された権利を行使する動き(デモ、ビラ配布、新聞への寄稿、記事の執筆など)をしただけで「不法行為の疑いがある」として「ファイラー(filer)」=原告に民事訴訟を起こされる。

SLAPPが標的にする社会問題は多岐にわたる。
特に多いのは不動産開発や公人の行動、環境破壊や公害・汚染。
そのほか反対の強い土地利用などについて公に意見を表明した個人や市民団体が標的にされる。
消費者や労働者、女性、少数派(人種、性的マイノリティなど)の権利のために公的に働く個人や団体が狙われることも多い。

これまでの例では、SLAPPを起こされた被告は合法的としか見えないような行為によって訴訟を起こされている。
例えば、請願のための署名を集めて回るとか、地元の新聞に記事を書く、あるいは投書をする。パブリックな集会で発言する。
違法行為を報道したり、通報したりする。合法的なデモに参加する、など。

プリング・キャナン教授の定義を元に、SALPPの条件を箇条書きにする。

① 刑事裁判に比べて裁判化が容易な民事訴訟。
② 公的問題が公の場所での論争になっている。
③ 訴訟の原告・被告はその公的論争の当事者である。
④ その公的問題について公的発言をした者(主に批判者や反対者)を標的に提訴される。
提訴する側は、資金・組織・人材などの資源をより多く持つ比較強者
⑥ 提訴される側はそれらの資源をより少なくしか持たない比較弱者
⑦ 提訴によって、金銭的、経済的、肉体的、精神的負担といった裁判コストを被告に負わせ苦痛を与える。
⑧ こうした提訴による苦痛を与えることで、原告は被告の公的発言を妨害、抑止する。
⑨ 訴えられていない潜在的な公的発言者も、提訴を見て発言をためらうようになる。
⑩ 提訴した時点で批判者・反対者に苦痛を与えるという目的は達成されるので、提訴側は裁判の勝敗を重視しない。

Copyright © SLAPP INFORMATION CENTER Since 2009 All rights reserved.

【引用終了】

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◆小さなアリは巨象に挑む

株式会社 七つ森書館

トップページ

http://pen.co.jp/index.php?id=656

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【引用開始】

 一部で報道されましたが、去る4月11日、私たち七つ森書館が読売新聞東京本社によって提訴されましたので、その経緯をご報告し、私たちの考えを、日本語と英語で述べさせていただきます。

・・・略・・・

このシリーズに『会長はなぜ自殺したか──金融腐敗=呪縛の検証』(読売新聞社会部。1998年新潮社刊、2000年新潮文庫)を入れようと企画し、2010年12月から読売新聞社と交渉を始めました。交渉は順調に進み、著者名を「読売社会部清武班」とすることも合意し、2011年5月9日に出版契約を結んだのです。本書の取材記者もつとめた読売新聞社会部次長(当時)が交渉の窓口となって読売新聞社の法務部門と協議した上で結ばれた出版契約です。

 その半年後に、清武氏の内部告発です。2011年12月1日、読売新聞社は七つ森書館に「出版契約を解除したい。補償はお金でする」と申し入れてきました。私たちは「良書を復刊するのが『ノンフィクションシリーズ“人間”』の目的です」と理解を求めました。読売新聞社は代理人同士の交渉もうまくいかないと見るや「出版契約無効確認請求事件」として東京地裁へ提訴しました。2012年4月11日のことです。

 読売新聞社の主張は「読売新聞社において、出版契約は局長が了解・決定するのが通例であるが、今回はそのような手続きが実行されていなかった。権限を有していない社会部次長が署名しているから無効である」というものです。出版契約にいたるプロセスをまったく無視しているばかりか、読売新聞社内の規則にすぎないものを社会一般の論理と見せかけて押し通すものにほかなりません。出版差し止め訴訟へ持ち込めなかったのです。

 巨大メディアである読売新聞社が、小出版社の七つ森書館を訴えることによって出版を妨害したのです。多大な時間と訴訟費用の浪費を迫り、自らの主張を押し通そうとするものです。われわれジャーナリストにとって社会的正義は何よりも重く、言論・表現の自由は社会的正義を守り抜くためにあることを忘れてはなりません。

 この数十年で、どれだけの巨大企業が膨大な利潤を奪っていったことでしょう。どれだけ多くの貧困層が生まれていったことでしょう。このような社会の矛盾を監視していくのがジャーナリストの眼なのです。清武氏は本書執筆中に、経営陣に対して「おかしいじゃないですか」と叫んだ社員の声が忘れられないといいます。私たちアリのように小さな存在が、巨象のように大きな読売新聞社に対して、おかしいことはおかしいと言って誤りを正していくことが重要だと思うのです。少年少女のような考え方かもしれませんが、私たちは少年少女時代の美しい心を忘れません。

   株式会社 七つ森書館  代表取締役 中里英章

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◆David Takes on Goliath in Japan

・・・

How vast are the profits that Goliath corporations have snatched up over the past several decades? How many people have fallen into poverty meanwhile? It is journalists who take on the role of investigating these injustices in our society. Kiyotake has said that he will never forget the voices of the employees at the companies he investigated for this book who stood up against the executives in charge, declaring, “What they’re doing is wrong!” We believe that it is important for a small David of a publisher to stand up against a Goliath like The Yomiuri Shimbun, and to declare openly and clearly that what’s wrong is wrong. We must stand up in order to right these wrongs. We may be accused of youthful naïveté, but we are proud to stand with the purity of these principles.

How are the Davids faring against the Goliaths in your country?

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Copyright © NANATSUMORI SHOKAN INC. All Right Reserved

【引用終了】

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沖縄・高江、山口・祝島/「SLAPP訴訟」伝えない地上波=三上智恵

Daily JCJ

日本ジャーナリスト会議(JCJ)のブログ

2011年03月01日

http://jcj-daily.seesaa.net/article/188335123.html

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【引用開始】

 1月26日、那覇地裁には、片道3時間かかる沖縄本島の北の端から呼びつけられた東村高江の住民たちが集まっていた。この2年、何度足を運んだことか。訴えられた住民の中には、裁判沙汰になって失職した人もいる。「被告」は、費用も気力も奪われていく。
 この裁判で国は、高江の住民が米軍のヘリパッド建設現場で通行妨害したと訴えた。国が「国策に反対する国民」を個人名で裁判にかけるのは前代未聞だ。確かに、北部訓練場の一部返還に伴うヘリパッドの移設は日米の合意事項かもしれない。しかし今現在も演習場のど真ん中に住んでいる恐怖を味わう高江の集落近くに、さらに六つも着陸帯を新設する計画を座視できるはずはない。力のない市民の最後の抵抗である「座りこみ」を「通行妨害」で訴える手法を社会が容認するなら、「座りこみ」は「禁じ手」にされてしまう。「禁じ手」にすべきは、権力や財力のある国や企業が反対意見を持つ個人を報復的に訴える「SLAPP訴訟」の手法である。

 この口頭弁論の日、関係者がみな那覇に行った隙を狙うように、現場に大人数の作業員が投入された。開廷中にその情報が入り、法廷は騒然とした。「これが国のやり方か?」弁護士らも立ち上がって国に抗議した。法廷にいた私たちは「これこそSLAPP訴訟。その概念の説明がトップ
ニュースだ」と決めた。放送後、内部では「刺激的すぎる」と批判もあった。
 一方反響も大きく、HPへのアクセスとFAXの数は群を抜いていた。同じく、住民運動がSLAPP裁判にかけられている山口県上関の原発問題関係者からの反応も速かった。
 上関では、原発建設の埋め立てを阻止している漁師とカヤック隊が4800万円の損害賠償を求められている。そのカヤック隊員の若者達が2月上旬高江にやってきた。そして3日間、当たり前のように住民と共に防衛局員を説得し、建設作業を止めていた。中には山口県庁前で10日間のハンストを決行した、大阪出身の19歳の少年もいた。彼は、上関も高江も自分の問題だという。「原発のごみは自分達世代の問題。上関の現場で命をかけている人をみて魂が動いたから、自分の問題になった。自分のことだからやっている」高江と上関、この二つの現場のニュース映像は不思議なほど流れない。
 しかし彼らの世代はテレビよりネットを見る時間が長い。テレビがやらない原発の問題や高江・辺野古のSOSをリアルタイムでキャッチし、自分の問題と捉え、ツイッターで呼びかけて、みんなでUストリームで現場の生映像を見る。環境破壊のSOSを発している現場があればただ、「行って止める。問題の根っこはどこも同じでしょう?」と見抜いている。ベテラン記者が基地建設の経緯や過疎と原発のしがらみから問題を読み解こうと足踏みする間に、彼らは「地球を壊さないで!」と直球で動く。
 これまで分断されていたそれぞれの現場の壁がネット世代によって融解し、新たな解決の地平が見えてくるのではないか。そんな時代の流れを目の当たりにした。
 いま、QABのHPでは高江の報道ばかりにアクセスが集中している。一度も全国ニュースになっていない二つのSLAPP裁判の現場を、国民はネットで知っている。
 大事なことに限って、地上波の報道は伝えない。それが常識になりつつある。

(みかみ・ちえ/琉球朝日放送キャスター)

*日本ジャーナリスト会議 機関紙「ジャーナリスト」 2011年2月25日号より

【引用終了】

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6件のコメント on 地上波が伝えない恫喝訴訟!強者の言論封殺【#SLAPP =市民の関与を排除するための訴訟戦術】裁判自体の経済的、肉体的、精神的負担で個人を疲弊させ、市民の運動の芽を摘み取ることが目的。国と企業の権力側が弱小個人・市民を訴える理不尽にNO!「社会の矛盾を監視していくのがジャーナリストの眼」七つ森書館・中里英章氏

  1. Name より:

    【七つ森vs読売新聞】No.004 東京地裁、不当決定!(神州の泉)
    http://shimotazawa.cocolog-wbs.....-cdee.html

  2. Name より:

    「原発フィクサー」訴訟の会
    http://anti-slapp.cocolog-nifty.com/blog/

  3. Name より:

    【七つ森vs読売新聞】、『会長はなぜ自殺したか』の保全抗告に、知的財産高等裁判所が不当な決定を出しました!(神州の泉)
    http://shimotazawa.cocolog-wbs.....-e94a.html

  4. Name より:

    【七つ森vs読売新聞】No.007シンポジウム「日本の裁判所はナベツネに逆らえないのか」(神州の泉)
    http://shimotazawa.cocolog-wbs.....-23fc.html

  5. Name より:

    出版妨害と恫喝訴訟ではないのか ナベツネと読売新聞を語る(アジ記者クラブ)
    http://apc.cup.com/130222_APC_2-billa.pdf

  6. Name より:

    「対UE社訴訟、支援のお願い」(情報紙「ストレイ・ドッグ」(山岡俊介取材メモ))
    http://straydog.way-nifty.com/.....-a889.html

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