6月20日 経産相の操り人形、海江田経産相・菅首相は「再稼動を!」と言い出した。「安全性を確認できた」など大嘘だ!
【山崎ジャーナル:冤罪被災者のきもち-15】
■いつか来た道=911グラウンドゼロでEPA(米国環境庁)が2001年9月16日に出した「スピード安全宣言」の不自然さと違和感を彷彿とさせる、このたびの“6/18海江田大臣、原発安全→推進続行宣言”に臭う、胡散臭い共通性とは?
末尾に、私が尊敬する友人、S氏のブログより最新投稿を転載します。
海江田さんが先週の土曜日、18日に行った「スピード安全宣言」の背景には、翌19日(日)に出発して20日からウィーンで始まったIAEA閣僚級会議出席への「安全宣言、既成事実化」の目論見がありました。見え見え、ですよね。
昨日20日のIAEA会議におけるスピーチをニュース映像で視聴した私は、安全宣言が間に合わせの取り繕いであることが、国内の反発のみならず、国際社会でも失笑ものだと知りました。
IAEAはそもそも日本が予算を拠出して、事務局長まで輩出している原子力推進団体ですから、リーダー国・日本としては、自らが皮肉にも「破滅的大事故の当事者」になり下がった事実は受け入れ難く、耐えがたい。
メンツ丸つぶれ状態から1日も早く脱却して、なにがなんでも国際社会における地位回復を急ぎ、起死回生をはかりたい。官僚の悲願が、操り人形・海江田大臣に「原発やめない」宣言をさせ、「原発をより安全なものとする」国際的誓いを立てさせている…いわば、対外向けリップサービスで「安全宣言」の詭弁を弄している事情があります。
そこをシニア・ブロガーのSさんも、20日付けのコラムで突いておられるわけですね。
さてと、海江田さん。IAEA会議は、なんとか外交辞令の美辞麗句で表面上、取り繕うことができましたが、帰国される日本では、ごまかしがききません。国民の生死と国土の維持・保全、わたしたちの現在と未来の「安全と安心」がかかっている深刻な事態なだけに、国内では容赦されませんよ。
■「いつか来た道」:
911テロ発生当時、私が事務所を開設していた「グラウンドゼロの空気に汚染はなく、安全だ」と、EPA(米国環境庁)長官が2001年9月16日に発表した「スピード安全宣言」の、不自然さと違和感。
当時の米政府の態度を彷彿とさせる、このたびの“6/18海江田大臣、原発安全→推進続行宣言”に臭う、胡散臭さ。2つの事件に見る共通性とは?
■それは双方とも、政府が国民をだまして「安全宣言」したせいで、政府を信じた住民と作業員が放射能やアスベストといった有毒・汚染物質に被ばくさせられ、健康被害をこうむったという非常な事実。日米とも、国家が犯している確信的犯罪モデルとパターンは、そっくりではないか!
事実は、事件後のNYの大気中には、アスベストが大量飛散していました。「安全宣言」どころか、逆に立ち入り禁止区域として、汚染物質除去を優先させるべきでした。
私はその「安全宣言」を信じて、イチ早く、倒壊後わずか9日目と10日目、2週間後には現地入りし、入居ビルの確認作業を行っています。倒壊後3週間以内に、何度か周辺地域へ入ってNHKと読売新聞の記者、フジTVのテロ取材班を案内し、現地取材を敢行しています。
事実に反する「安全宣言」を信用したせいで、私は日本からの取材団をグラウンドゼロへ引率し、彼ら全員とともにアスベスト被ばくさせてしまったことになります。さらに、日本出張から帰国した2001年12月中旬には、セントラルパーク近くの自宅を引き払い、アッパーイーストから倒壊現場に隣接する事務所内へ、自宅を移転させています。経費節約が目的でした。
そして2匹の愛犬、マーブルとチョコを朝晩のお散歩時に、アスベストなどに汚染された粉塵と土壌にさらすことで、被ばくさせてしまったのです。
米政府機関EPAによる早すぎた「安全宣言」は、ウソでした。信じた住民は退避していたホテルや仮住まいから早々にグラウンドゼロ地区へ戻り、結果としてアスベスト(その他、重金属入りの)粉塵に被ばくさせられました。私と愛犬も、含まれています。
その後、懸念通り、数年以内に呼吸器疾患が爆発的に増加。
周辺に戻った私たち地元住民のほかに、倒壊現場で救助や撤去作業に従事した警察・消防など善良なNY市民が、政府が発表したウソの「安全宣言」にだまされ現地入りし、汚染された大気をそうとは知らずに吸入して、肺がんや重度呼吸器障害にかかった多くが命を落としていきました。
■政府と行政が犯した、大きな罪→だまされた市民が現場で被ばくし、発病して健康被害を受けて、死んでゆく→それでも、国家と政治家、行政は責任を取らない。刑事責任を負わない不条理!
これって、今、日本が現在進行形で体験中の「原発震災、放射線被ばく事件」と「ウソの政府安全宣言」と、そっくりの構造だとは思いませんか?
被ばくを強制された主たる被害者は、地元住民と現場作業員。加害者がウソつき政府と役人。
ここまで詭弁の構造とシステムが酷似しているのは、なぜでしょうか?
背後にいる惨事の計画立案・実行者が、同一だから、やる事と引き起こされる結果が同一となるのでしょうか?…謎は深まるばかりです。
話を日本の311原発震災と、収束も見えない、未検証段階での「早すぎる安全宣言」へ戻しましょう。怒り噴出の本国へ戻れば海江田さんは、針のムシロです。
■それにしても、2009年夏の総選挙で大勝された時のキャッチフレーズ、「国民の生活が第一」はいったい、どこへ消えてしまったのでしょうか?
海江田さんの言動を拝見していると、明らかに「国民の安心・安全よりも、核燃料サイクルを推進する官僚と事業体の既得利権が第一」と、確信犯的に宣言しているかのように、お見受けいたしますが。
少なくとも、東京1区の有権者に対して、海江田さんと与謝野さんは、説明責任がおありかと存じますが。お聞かせ願えますか。
2011/06/21 10:23 【山崎淑子 記】
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【ブログ:一市民が斬る!!】より、以下転載します:
☞ http://civilopinions.main.jp/
<海江田経産相「再稼動を」発言には呆れた>
海江田経産相の「再稼動を」の発言には耳を疑った。これが日本国の大臣なのか。
6月19日付東京新聞『経産省「再稼動を」』.pdf参照
原発の安全規制を担う経済産業省原子力安全・保安院は、福島第1原発事故のようなシビアアクシデント対策について7日に調査を始めてからわずか11日で、原発の「安全宣言」を出した。だが、今回の点検項目は、水素爆発対策など第1原発の事故に関係した5項目だけで、それ以上については「今後の検討課題」(保安院)。現地立ち入り検査もたった2日間で終えた。それを受けての海江田経産相の発表だ。
福島原発事故は一向に収束しない。これからどのような被害が出るかもわからない。真の事故原因も原子力安全保安院・東電ははっきりさせていない。そもそも、福島原発事故は、保安院が安全チェックを怠ったために発生した。その保安院の点検・安全確認など全く信じられない。それに、他の原発では、装置そのものに福島と違った弱点を持っているかもしれない。東日本大震災以上の加力があるかもしれない。
安全だと結論を出すのはあまりに無茶だ。
経産大臣としては、異常に軽い判断だし、国民の命と健康を重視する考えが欠落している。
<菅首相も再稼動を強調>
6月19日菅首相も、「全ての原子炉を止めれば経済に対する影響が余りにも大きい。安全性が確認されたものは稼動していく」と強調した。
6月20日付東京新聞「首相も再稼動強調」.pdf参照
海江田大臣以上に信用できない男だ。
<菅首相も、海江田経産相も、経産省、電力会社などの原発推進グループに全く頭が上がらない>
原子力事業で甘い汁を吸ってきた経産省や電力会社は、いまだ原発を諦めていない。
彼らは言う。
原発を止めたら、電力が足りなくなる。
電力が足りなくなると、産業が停滞する。
化石燃料は枯渇する。化石燃料で代替すると電力代が上がる。
これらは、原発を維持したいための言い訳に過ぎない。
政府も、経産省も、「エネルギー転換を図る」と言いながら、脱原発を進める気は毛頭ない。
そして、菅首相も、海江田経産相も、経産省の思う通りにしか動かない。まさに経産省の操り人形というところか。
<イタリアも脱原発、国民投票「再開反対94%」>
ドイツでは、福島原発事故を受けて、10万人規模のデモがあった。
6月8日、メルケル首相が2022年までに原発を全廃すると宣言した。
スイスでも、2032年までに原発を全廃するとした。
イタリアでは、6月13日、ベルルスコーニ首相が、チェルノブイリ事故を契機に全廃した原発の再開を提案したため、国民投票が行われた。
その結果、有効投票になる50%を超え投票率57%、再開反対94%で、再開は否決された。
6月14日付東京新聞【脱原発欧州で加速へ」.pdf参照
投票率57%は極めて高い数字だ。メディア王ベルルスコーニ首相が棄権を呼びかけたのに反発し、投票率が上がったとのことだ。
イタリア、ドイツ、スイスの国民は、利権にまみれた政治家やメディアに騙されない。
<日本人は、メディアに騙され続ける国民になってしまったのか>
絶対に安全だといわれ続けた原発が暴れだし、手が付けられなくなっている。国民は、福島県人が大変な目に遭っていることを知っている。200km以上はなれた東京にも相当量の放射性物質が降ってきて、水も飲めない時期もあった。
日本のどこに住もうが、近くに原発がある。どの原発も福島原発と大差ないのだ。地震国日本では、いつ何時、事故が発生するかわからない。早くに止めておくべきだ。再稼動に断固反対すべきだと思うが、日本国民の中には、そう思わない人もいるようだ。
電気をふんだんに使えない少々の不便さと、放射能に汚染される危険性のどちらを選ぶかの判断がつかない人もいるようだ。
原発推進派とメディアに騙され続けているうち、まともな判断力さえ失ってしまったのだろうか。
原発推進派とメディアの呪縛から解き放されてほしいと思う。
2011年6月20日
【転載終了】