【山崎ジャーナル：冤罪被災者のきもち-10】
私が1970年代、高校生時代に暮らしたペンシルヴェニア州フィラデルフィア郊外の北西に、79年、臨界爆発事故を起こした“スリーマイル・アイランド原発”があります。
帰国後、環境保護・平和運動を始めた翌年の79年に起きたスリーマイル島、原発事故。
同年夏の原水爆禁止世界大会から私は、ボランティア通訳とコーディネイターとして反核・脱原発運動に参加するようになりました。
79年の大会には米国からの参加者が多く、ネイティヴ・インディアンを始め、ノーベル生理・医学賞を受賞されたハーヴァード大学名誉教授のジョージ・ウォルドさん、原爆投下直後の広島・長崎入りして被ばくした元米兵、原発事故を起こしたスリーマイル島原発周辺の市民運動家など、多彩な環境・平和活動家と知り合い、多感な私は大いなる啓発を受けました。
この時の出会いがきっかけで、大学生の私は環境問題の通訳となり、スリーマイル島の原発事故現場へも視察旅行しました。また、ジョージ・ウォルド教授の紹介で、彼の親友である憧れのピート・シガーにも会えました。そうです、あの「花はどこへ行った」を作詞作曲した歌手のピート・シガーです。当時、私も反戦歌をうたっていました！
しかしながら、1970年代の日本で、お嬢さん大学に通う女学生が反戦歌をうたい、反核・反原発運動に参加することは村八分もので、私は「変わり者」のレッテルを張られてしまいました。
父親は「運動系はやめてくれ！」と嘆き悲しみ、母親は「嫁がせる前に、経歴が傷つく」と泣きました。
ニューヨークへ移住した1984年には、米国は原発廃止政策を採用し、すでに新規原発建設は停止されていました。地震もめったにないニューヨークを、私は「地震大国にもかかわらず原発推進政策を捨てようとしない日本より、安全で住みやすい」と判断して、米国永住を決め、移住3年後の87年には永住権を取得。2007年まで、ニューヨークに居住していました。
地震が少ないとはいえ、ニューヨークには酸性雨やダイオキシンによる土壌汚染、ハドソン川への工場廃棄物投棄・汚染など、環境汚染問題は存在していました。子どもの白血病や乳がんの増加も、80年代にはすでに顕著となって、これは40年代から80年代までニューメキシコ州の地下や成層圏で頻繁に行われていた水爆実験による放射性物質の飛散が原因ではないかと、疑われていました。
ニューヨークに住む最大のリスクの１つが、ＧＥ製で老朽化するインディアン・ポイント原発問題です。
ニューヨーク市からわずか２５マイル、４０キロ地点にある原子力発電所の出力は、広島型原発の１０００倍といわれ、住民による反対運動が続いています。
現地、インディアン・ポイントでも長年、反原発運動が活発に行われてきたことを、どうか皆さん、知ってください。
2011/6/13 8:32 【山崎淑子 記】
☞ http://shutdownindianpointnow.org/
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【参考資料】
■以下は、レイバーネットに寄稿された、ニューヨークでの「6.11脱原発100万人アクション」リポートを転載します。
【転載：引用開始】
「6.11脱原発100万人アクション」の一部として、ニューヨークでは2つのイベントが行われました。その内のひとつ、普通の集会・デモに参加しました。こちらのイベントを呼びかけて企画した人は、ほとんど一人で、初めてこのようなデモを企画したと言っていました。雨の中でしたが、約100人ほどが参加しました。もう一つのイベントは、エネルギーシフトなどを求める自転車ライダーのグループ・クリティカルマスの裸パフォーマンスで、完全に別働隊だったので見ることはできませんでしたが、昨年は300人ほどが参加したとのことです。
集会はロウアーイーストサイドのTompkins Sq Parkで行われ、そこからユニオンスクエアを抜けて北上してロックフェラーセンターのGEビルに向けてデモをしました。ニューヨーク市から最も近いインディアンポイント原子力発電所の即時廃止を求めてきたグループも参加しました。プラカードの内容には、「脱原発」「放射能に安全なレベルはない」「東電・IAEA・日本政府・ICRPみんな嘘つき」「東芝・ウェスティングハウス・日立・GEボイコット」「インディアンポイント今すぐ閉鎖」「核実験をやめろ」などがありました。
巨大な紙で折り鶴を20個くらいつくって（鶴の背中に放射能のマークつき）、それらをGEビル前にプレゼントとして置いてきました。デモの間も折り鶴が相等目立っていました。途中の豪雨でほとんどの鶴がぐだぐだになったりちぎれてしまったりして痛々しかったですが、結果的にその方がGEへのプレゼントとしてふさわしいものになりました。ちなみにGE（ゼネラルエレクトリック）社は福島第一原発をデザインした原発メーカーです。
【引用終了】
元記事☞ http://www.labornetjp.org/news/2011/1307874051767JNK
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