結婚即同居で、実家には要介護の曾祖父母、まだらボケの祖母、膿家脳な両親、出戻り小姑(姉)、家事手伝い小姑(妹)。
叔母夫婦を入れて総勢9人の大家族が築ウン十年の借家にひしめき合っていたという。
叔母の両親(=私の祖父母)はもちろん結婚に大反対したが
反対されればされるほど叔母は燃え上がり、
「愛さえあれば苦労なんて何でもない」
「愛ですべてを乗り越えてみせる」
「お金お金って、お父さんもお母さんも汚い。こんな人たちが親なんて恥ずかしい」
と啖呵を切り、相手の家に転がりこんで入籍。
9人家族のうち働いているのは叔母、旦那、舅だけだったが舅は50代で早期退職してしまった。
家事はすべて叔母の役目。介護はかろうじて姑も手伝ってくれたがメインは叔母。
出戻り小姑と家事手伝い小姑は何もしない。
そのうち曾祖父母は亡くなったが、出戻り小姑が誰が父ともわからぬ妊娠。その子の育児も叔母の役目。
旦那は帰ってこなくなり、生徒と恋愛沙汰を起こすこと2回。
県内ではあるが僻地に飛ばされ単身赴任。
叔母は徘徊のひどくなった祖母の介護と、家事と、仕事と、出戻り小姑の子の育児に追われ
ストレスで80キロ近くに太った。
以上は叔母の愚痴と、私母の回想を繋ぎあわせた話。
叔母は現在50代で、すっかりDQNに育った小姑の子と、ボケはじめた姑の世話に憔悴しつつ
まだ「愛さえあれば苦労なんて何でもない」と言ってる。
自分の子はいない。
私と姉はそんな叔母を反面教師に育った。
姉は「あれは恋愛教の信者だ」と言い、「恋愛はいいものだと思うけどそれのみで目を曇らせちゃだめだ」と
姉妹で語り合って育った。
お相手は固い職業で高学歴、収入も悪くない三男。
そしたら叔母がファビョった。「打算的すぎる」と。
「愛が感じられない、条件だけで選んでる、ロボットみたい、夫婦ってのはそんなもんじゃない、
そんな冷たい結婚は認めない」と喚く喚く。
姉より先に姉旦那さんがブチギレた。
「僕と(姉)さんは愛し合っているし、何より尊敬し合える関係だから結婚を決めた。
失礼だが、恋愛は容易だし子供でもできる。
でも尊敬し合える相手は稀少で、何よりお互い精神的にある程度成熟しているからこそ成り立つ。
僕は結婚とは愛と尊敬ある男女間でするものと考えている。
理解してもらえないならそれは価値観の相違と言うしかない」
本当はもっと長いけど、要約するとこんな意味のことを言った。
横で母がボソっと「(叔母)ちゃん夫婦には、愛はあったかも知らないけど尊敬はなかったねえ…」
私はてっきり叔母がもっとファビョると思ったんだけど、
意外にもおとなしくなって帰って行った。
その後叔母がまた母のところに愚痴りに来たんだけど、叔母は叔母旦那に「私を尊敬してるか」と聞いたらしい。
叔母旦那がなんて答えたかは知らない。
叔母が「30年無駄にした」「なんのために生きて来たんだ」って大泣きし始めたから。
ずっとウザい叔母だと思っていたが、可哀想な人だなと思うようになった。
でも私が結婚する時は、やっぱり叔母に知らせたくない。
>恋愛は容易だし子供でもできる。
でも尊敬し合える相手は稀少で、何よりお互い精神的にある程度成熟しているからこそ成り立つ。
胸に響いたわ