見た目俺と同じくらいの若いヤンキー風の金髪ピアスなあんちゃんで、少し不機嫌な顔しながら新聞薦めてきた
朝「朝日なんですけど、新聞どうですか?」
俺「もう読売取ってるからいらない。それに朝日は嫌いなんだ。ごめんね」
朝「さっき勧誘した人も朝日嫌いだって言うんですよね。新聞なんてどれも変わらないじゃないですか」
俺「情報は大して変わらないけどね。コラムが嫌われてるんじゃないかな」
朝「え、どういうことすか?意味わかんないでこれで説明してください」
と言いながらポストに突っ込んだままの読売新聞抜き取って俺に渡してきた
勧誘員は本紙もってないとはいえ、本当に常識ねぇなと思いつつ真面目に対応
コラムとはなんなのか、朝日はどういった事を書いてるのか説明
俺「で、朝日は日本嫌いで、いつも日本批判ばかりしてるから嫌いなんだよ」
朝「俺だって嫌いですよこんな国!だって~~」
俺「君や朝日が日本を嫌うのは自由だけど、俺は好きなの。
今だってコタツに入ってりゃ幸せだし、宗教自由だから食事の前のお祈りはいただきますの一言だけ。
女の子が一人で夜中ぶらつけるほど安全で、簡単な怪我や病気は病院いっても3000円もしない。
居酒屋で一杯飲むの我慢すりゃ病院いけるんだぜ?
刺身も味噌汁も大好きだし、母国の料理に飽きたらちょっと都会にでればどの国の料理だって食べられる。
へたな国だと今みたいに こんな国! なんて言おうもんなら、非国民ってことで居場所なくなるよ
で、話遮っちゃったけど、君が日本嫌いなのはなぜ?」
朝「・・・そういやなんで嫌いなんでしょうね。今の話聞いてたら分からなくなっちゃった」
その後雑談(勧誘員始めたばっかりで~とか身の上話)して帰っていった
朝「こんちわーっす。お久しぶりです!朝日の勧誘員です!」
俺「おお、久しぶり。そろそろ慣れてきたから俺に勧誘再挑戦?」
朝「いえ、あの後3日くらいですぐ辞めました。朝日が嫌われてるの再確認しましたよ
で、今国の役に立ちたいと思って大検と国家二種の勉強してるんすよ」
俺「・・・それはまた随分唐突な・・・」
朝「日本の好きなところ考え始めたらどんどん好きになっちゃって。好きな国に住めてるってだけで今すげー幸せなんすよ!
田舎帰って本格的に勉強しようと思ったんで、お別れの挨拶とお礼にと思って」
と、小包くれて(中身はお茶だった)去っていった。
当時の俺からしてみればよくある勧誘断りのための方便しただけの相手
それがなぜか、当時タメ口だったのがなぜか敬語、不機嫌に見えた顔は超爽やかな笑顔
日本贔屓な外国人の話を聞いて和むことはよくあったが、日本人相手でも和むもんだな
一度玄関先で小一時間話した程度の相手に、お土産もって挨拶に来るなんて思ってもみなかった
それから若い感じの勧誘員には、新聞だろうが教材だろうが宗教だろうが真面目に対応するようになったよ
出来の悪い漫画みたいな話だが、全部マジ話
国籍や血は知らんが、日本生まれの日本育ちで間違いないだろね
高校中退して田舎から東京に出てきたって言ってたし
こういうのはいいGJだな~