デドフシナとは、歴史的にソ連軍と今日のロシア連邦軍やNIS諸国軍隊での兵士、曹長、軍曹などの下級軍人たちの間で行われている各兵士の勤続年数に基づいて「選別」し、それに伴う差別と嫌がらせ、いじめを行う非公式な上下関係を指す言葉である。

　半ば犯罪的な性質を持ち、通常では搾取や心理的、身体的、性的虐待の形で現れる。
　場合によっては兵士が重傷を負ったり殺されたりすることがあり、これは多かれ少なかれ、すべての兵士の集団に見られる特徴である。
　デドフシナだけが原因とは言えないが、2004年に当時のセルゲイ・イワノフ国防相は、徴兵忌避率が90%以上に達したと発言している。

　2019年のロシア軍検察庁発表によると、デドフシナの状況は悪化しているとされる。2019年の間に軍検察庁が認知したデドフシナの事件件数は増加しており、具体的には人権侵害51000件、性暴力9890件が発生したという。