暗視ゴーグルは可視光域外の赤外線を捉えることで暗闇を見通す装置ですが、今後はあんな大掛かりなゴーグルを付けなくても、裸眼で赤外線が見えるようになるかもしれません。
マサチューセッツ大学医学部の研究者が、特殊なナノ粒子溶液をマウスの眼球へ注射することで、裸眼で近赤外線を見せることに成功したようです。
この研究は、アメリカ化学会(ACS)にて8月27日に発表されています。
人を含め哺乳類の目は、400?700ナノメートル(nm)の波長の光しか検出することができません。
音楽では、音の波長が2倍異なった場合、1オクターブ音階が変わります。
つまり人間の視覚は、光の波長を1オクターブほどしか捉えることができないのです。
ピアノが8オクターブの音階を表現していることを考えると、視覚に関して人はだいぶ狭い領域しか見えていないと言えます。
赤外線は絶対零度以外のすべての物質から放射される光です。
そのため、可視光域を近赤外線の領域まで拡張することができれば、本来見えない夜空の星も、暗闇の中での視界の確保も可能になります。
現在、人が赤外線でものを見るには、赤外線ゴーグルやサーモグラフィーのような大型の装置が必要になるため、それを裸眼で実現できるというのは、大きな技術的革新だということができるでしょう。
今回の研究で使われたのは、アップコンバージョン-ナノ粒子(UCNP)と呼ばれる特殊なナノ粒子です。
UCNPは超波長の光を短波長の光へと変換することができるナノ粒子で、希土類元素のエルビウムとイッテルビウムが含まれています。
これらは赤外光を可視波長の緑色の光に変換します。
このナノ粒子溶液を眼球に注射されたマウスは、本来見えない赤外線を緑色の光として認識できるようになるのです。
このマウスに赤外線を照射すると、瞳孔が縮み、反応を見せるようになります。
実験では、まずマウスをY字型の水槽に入れ、脱出可能な経路には三角形の印を可視光で表示する訓練を行いました。
これにより、マウスは三角形の印が光る経路を進めば水の中から脱出できることを学びます。
次に、この三角形印を赤外線に変えて同じ実験を行いました。
するとUCNPを注射していないマウスは、どちらが脱出経路か分からず、バラバラにY字の水槽を進み自ら逃げ出せなくなりましたが、UCNPが注射されたマウスは、可視光で印を映していたときと同様、脱出経路を正しく選んで移動しました。
これはナノ粒子の注射によって、マウスが狙い通りに赤外光を見られるようになったことを示唆しています。
この効果は注射後10週間つづきました。
後遺症については、経度の角膜の濁りが確認されましたが、これは1週間程度で解消され、角膜の損傷などはなく安全な処置であることが示唆されていると研究者は語っています。
ただしUCNPは無機物の粒子であるため、生体との適合性には不安が残るのも事実です。
そのため、研究者たちは今後はこのナノ粒子溶液を希土類元素ではなく、有機色素に置き換えたアップデートを行っていきたいと語っています。
この技術が実用化されれば、眼球への注射だけで暗闇に突入できる特殊部隊を作ることができるかもしれません。
また、色盲などの視覚障害の改善にも効果が期待されています。
一時期、赤外線機能を持ったカメラが水着などを透けて映すことが問題になりましたが、ひょっとしたらこうした技術から、服が透けて見える視覚を手にしてしまう人も出てくるのかもしれません。
普通のビーチがヌーディストビーチに見えてしまうとしたら、これは別の需要を生んでしまうのでは…。
▼動画
網膜上で波長変換しないと結像しないんじゃない?
服が透けて見える能力は
\(^o^)/
自ら実験に名乗り出るやつって、お前みたいなやつだろうな
血管も浮き出るで
結局元の木阿弥
何よりもまず視力回復頼むわ
そろそろ注射でできる視力回復法とかできそうなもんだが
元の目に戻れなくなりそうて怖いな
メガネをさせろ
それを無理矢理先祖返りさせてどうなることやら
みんなピッコロに見える日も近いな
何でも見えたら脳がすごいことになるぞ