もう17年か18年かそれぐらい昔の、まだ新婚だった頃のこと。
家庭菜園ができるぐらいの庭のある戸建に住んでいたんだが、その日は旦那が出張で私ひとり。
夕方になって
(そろそろ雨戸を閉めよう)
と思い、掃き出し窓を開けたら
突然、目の前に包丁を持った男が飛び込んできた。
男は包丁を突き出しながら
「○○はいるかっ!?」
ってドナるように聞いてきたんだが、顎がガクガクして答えられなくて、ひたすら首を横にブルブル振った。
そしたら
「○○は何処だ!?」
ってまたドナるように言われて、やっと震えながら
「こここここ越してきたばばばばばかりで、しししししし知らない」
って、確かそんなふうに言ったら、なんかキョドりながら走って行った。
後に人違い(家違い?)だと分かってので、たぶん間違ったことに気付いて焦ったんだろうと思う。
それから雨戸を閉める時間も怖くて、とにかく窓を閉めて鍵をかけて、110番しようと携帯を手にしたんだけど、何度も落っことして、ボタンも震えてちゃんと押せなくて…
ってしてるうちに遠くから悲鳴とか怒声みたいなのが聞こえてきた。
「キャーーーーー!」
って悲鳴とか
「捕まえろ!」「逃がすな!」
みたいな声とか。
やっと110番したけど、
「包丁持った男が突然入ってきて、今近所でなんかあったみたいで」
と要領を得ないことを言ったと思う。
「落ち着いて!落ち着いて!」
とか宥められながらどうにか伝えて、しばらくしたらパトカーが何台か来て、ようやく外に出ていった。
近所の誰かんちの旦那さんが刺されて、犯人は取り押さえられてた。
『犯人の奥さんと被害者の男性が不倫してた』みたいな、そんな話だったと思う。
それで漸く雨戸を閉めて、翌日も閉めっぱなしだった。怖くて。
旦那が帰ってきて顔を見たら泣いちゃったよ(若かったねーw)。
ちなみにその家は、空き家になってた義母の実家だったんだけど
「ここに住んでもらったばっかりに怖い思いさせてごめんねぇ」
とか言われて、義母がずいぶん気にして番犬(柴犬)を買ってくれたので、修羅場だったけどいい事もあったw
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