私が結婚して1年目にウトが急タヒした。
揃って超優良だったウトメはおしどり夫婦。
一人になったトメを心配して、小梨2馬力の我が家で引き取ることになった。
同居してもトメの優良ぶりは変わらず、家事をして、ウトが十分なお金を残してくれていたので月々の生活費まで入れてくれてた。
でも、やっぱり連れ合いをなくしたトメはショックが大きかったみたい。
1年もたたないうちに体にがたがきて、主に歩行が困難になってきた。
それで近距離にすんでた良コトメ(専業子持ち)が手伝いに来てくれて、二人でトメの介助をしていた。
夫はなにもしなかった。
ある日コトメが急用で、私の帰宅前に自宅に帰ってしまい、私もいつもより帰宅が遅れてしまった。
帰ったら、トメが真っ暗なリビングでうずくまって泣いてた。
周りにはティッシュがいっぱい散らばってた。
トメはお手洗いに行くのに間に合わずリビングで粗相してしまい、慌ててティッシュでふき取ったものの、動けばリビングを汚してしまうと思って、その場から動けなくなってしまったようだった。
そんなトメを見て私も泣いた。
後始末をして冷たくなった服を着替えをさせる私に、トメは「ごめんねごめんね」といいながら泣いていた。
その夜夫は日付が変わる頃に大トラになって帰宅した。
翌日うちにきたコトメに、トメは「施設に入りたい」と訴えたそうだ。
トメは大ウトメの介護をしていて介護をする辛さも知っているし、娘や嫁に下の世話をされるのは恥ずかしい、それならお金を払って他人にやってもらうほうがよいとコトメに言った。
コトメも私も少し前から自宅での介護の限界を感じてた。
トメにはお金もあるし、コトメ夫のつてでいくつか優良と思える施設を探していた。
コトメはトメにも私にも内緒で施設の見学に行って、目をつけた施設があった。
そしてコトメ夫婦と私達夫婦とトメで、トメの今後について話し合いをすることになった。
コトメ夫婦と私はトメが施設に入るのに賛成だった。反対したのは夫一人。
「家で介護されるのがトメには一番幸せなはず」というのがその理由だった。
よくいうよ。夫はなにもしなかったくせに。
介護経験も知識もないコトメや私が、ほぼ同じ体格のトメの入浴介助をするのは大変だった。
歩くのを支えるのだって大変だった。
コトメが日中我が家に来てトメの介護をしていたから、コトメ家の家事は滞っていたのに、コトメ夫は文句ひとつ言わなかったそうだ。
コトメコもお婆ちゃんのためだからと、家事を手伝ったりしていたそうだ。
夫は私が料理をしている最中でも私を呼びつけてトメのトイレ介助をさせた。
トメはトイレまで支えて歩かせたら、あとはきちんと自分でできたのに。
「あんたは何もしないでしょう?大体施設に行きたいと言うのはお母さんの希望なんだよ」という私の言葉に返ってきたのは、「そんなことに無駄金を使う必要はないんだ。遺産が減るだろ」という夫の言葉だった。
その場に居た皆言葉を失った。夫も失言に気付いたみたいだったけど止まらなかった。
嫁と姉が介護すればウト遺産がまるまる残る、介護施設なんて金を吸い上げる悪徳ばかり…夫の暴.言.は止まらなかった。
気がついたらトメがぼろぼろ泣いていて、コトメ夫が夫に掴みかかってた。
コメント
俺の義兄と良く似た話だ。
億から有った義父からの遺産をキャバ嬢に注ぎこんでいた。
電動ベッドも車椅子も買わずに、仏間に敷いた布団の上に放置していた。
俺は母親にさっさと特養に入って貰った。
プロに任せた方が良いし妻との生活を優先したから。