すんげー寒いの。
街が見渡せるということは吹きさらしになってるということ。
こんなところに10分もいたら確実に風邪をひくと思う。
やっぱり誰もいないじゃん。
それだけ確認すると急いで車に戻る俺。
さっさと帰ろうと思ってエンジンを掛けたところで携帯が鳴る。会社からだ。
ものわかりの悪いやつだったから時間がかかってしまい気づいたら30分くらい話してた。
見てるよー
>>71 ありがとー
ちょっとイライラしながら車を動かそうとライトを点けたら駐車場の端にタクシーが
止まってる。
ん? さっきまで居なかったよな?
おや? タクシーに向かって小走りに走る人影?
思わずクラクションを鳴らしてみると人影が立ち止まってこちらを凝視してる……
コートを着たシルエットだから男女の区別がつかない。
俺は車のドアを開けて駐車場に出てみた。
暗がりでお互い相手を判別できないけど、ジーっと見つめ合ってる状態。
女は現実主義だよ。
10年どころか今が大事
まあ、はよ。
まさか…
??? 「……先 輩? です か?」
俺 「」
おいおい、まさかですか?
言葉というか声が出ないよ。
??? 「先輩? なんですよね? そうですよね?」
女性の声はもう叫び声になってる。
俺 「後 輩 さん?」
やっとのことで声が出た。震えてるよ。カッコ悪いけど。
次の瞬間、悲鳴とも絶叫ともいえない声で人影がこっちに向かって走ってくる。
思わずちょっと後ずさり。
俺の手前2メートルの位置で女性が止まる。暗くてよくわからん。
後輩さんかどうかは判別がつかなかった。俺が持ってる写真から10年以上経ってるし。
でも俺の名前を知ってるし、なにより今ここにいることがその証明だろうと。
ホワイトデー、奇跡の再会ですわ。
うわぁあぁあああぁ!
キターーーーー
えんだぁぁぁあああああああああああ
すげええええええ!
続きはよ
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