27's Journal
 
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Monday, July 31st, 2006

    Time Event
    6:20p
    ナンバーワンだか、オンリーワンだか
     山崎正和という人がいます。
     ひらたく言うと天才なのですが、彼が誰なのかは、知りたい人だけ調べて下さい。
     てか、ぐぐれ。
     ここで書きたいのは彼の文章を読んでまとめたこと。
     もし多少なりとも乖離があったら、それは許せい。


     さて、たいていの人は特別な人になりたがります。
     だから芸能オーディションを受けてみたり、ホームページを立ち上げてみたり、こんなことは自分のレベルの仕事ではないとニートになってみたりします。
     これは歴史で見ると、意外と最近の変化です。

     かつて、産業革命(早かったイギリスなんかで18世紀、遅いと20世紀なのですが)がおこるまでは、みんな家族のために村の中で働いておりました。
     それはそれは、せっせせっせと家の周りで働いては生きていく生活で、自分が誰かなんて考えは無く、せいぜい家族愛と宗教心で満足しちゃう世の中です。
     当時、人間はnobodyでした。
     ようは、世の中には誰もいなかったのです。
     個人なんてものどころか、私たちは誰かなんてことすら存在しなかった、と。

     けれど、嫌でも文明は進化しちゃうもので、産業革命が起こります。
     すると文明を持った人間たちは、様々な職業を生み、様々な乗り物を生み、様々な情報伝達手段を生んだりします。
     これまで家族と村くらいしか知らなかった人々は、ここでその他大勢を知ります。
     なんかたくさん人間っていて、いろんな職業やらいろんな物があって、といったことを知ります。
     ここで人間はanybodyになりました。
     認識状、世の中に誰も存在していなかったところから、みんなという意識が芽生えます

     さて、ここで終わればまだ大人しく誰もがみんなの一員として自分の与えられたことを黙々とやるのですが、さらに文明は発達します。
     すると鉄道や飛行機はでき、経済活動や戦争は大規模になり、よその国の情報は入り、と。
     こうなると世界の多様性を知り、その中では注目を集める一部の人がいるのだということを、世界中が知ります。
     ちやほやされ、たくさんお金を持ってて、なにか楽しそうな一部の人達。
     知ってしまった人々は、当然ながらそのsomebodyになりたがります。
     自分はその他大勢ではなく、みんなに認められる誰か、なのだと。
     ただ、nobodyからanybodyまではよかったのですが、somebodyに世の中のみんながなることはできません。
     誰もがタモさんのようになりたいと思っても、この世に笑っていいともはひとつしかないのです。
     すると人々は誰かになりたいことを望み、身内からはそのように期待されながらも、ほとんどの人が誰かになれずに暮らしていく羽目になります。
     これが現在の状況。
     みんな特別な人になりたいけど、そりゃなれないよ時代。
     周りが必要以上に期待するから、もう単純作業なんてできないよ時代です。
     そりゃニートも増え、アイドルも増えて、ホームページやブログも増えるってわけです


     さて、ここで更にインターネッツに一歩だけ踏み込むと、ブログの登場が時代に輪をかけてしまったようです。
     なにかになりたいと思いつつも、実力的にはそりゃなれないよってな人達。
     これまで彼らは悶々としながらも、結果的にはanybodyあたりで落ち着いてました。
     おれはビッグになる、さんまよりオレのほうが面白い、などと言いながら真面目に働き、配偶者あたりにあなたが一番だ、と言われて納得するわけです。
     でも、ここにお手軽な世界へ向けた発信アイテム、その名もブログが登場します。
     さて、こんな優れたアイテムを手に入れた人々はどうするか。
     自分が優れていると思っているものですから、どんどん発信します。
     文章も写真も自由自在に発信します。
     ここで現在の弊害、発信者ばかりで受信者が減るという問題が発生するのです。

     これまでは、なんだかんだ言って、新聞が言ったことを信じ、テレビのニュースに頷いていた人々が、自由気ままに議論しては、えらい人の言うことを聞かなくなりました。
     発信したい欲にむしばまれ、人の言うことを素直に信じるかわいい子が減ったわけです
     まあ、もちろんこれは悪いことばかりではないのですが、衆愚政治という言葉もあれば、世の中まとまりが大切なのはみんな理解するところです。
     そして擬似ヒーローになった人達は、簡単な仕事に満足せず、普通の結婚相手になびかなくなります。
     これではニート問題や少子化問題が一向に改善されません。


     長くなりましたが、以上なのですが、文明の発達によって、どんどん危機的状況に向かってるっぽいことを分析しました。
     ただ、この現象は最近になってのものなので、冷静な分析は多分200年後くらいの賢い学者さんが詳細にやってくれると思います。
     それでも、結局なにが言いたいのかというと、もっと純粋に、単純に生きていこうよ、と。
     結局、認められたいとかってのは、他者に立脚した価値判断ですからね。
     自分でもう少し考えよう、と。
     おまいらがそうしないと、私が特別な人になれないでは(ry

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